一元配置分散分析の計算方法
2017/11/06
カテゴリ:Tips
タグ:Excel
一元配置分散分析の計算方法を紹介します。
概要
一元配置分散分析は、ある一因子の群間で母平均に差があるかどうかを調べるための手法です。データ全体のバラツキを群間のバラツキと群内のバラツキに分解し、群間のバラツキが群内のバラツキに比べて有意に大きければ群間の平均値に差があると導きます。
データ
ここでは、食餌の摂取量と発育の程度のデータを用いて一元配置分散分析を行います。(出典;新版 医学への統計学)
群内平方和
群内平方和は各群の偏差平方和の和です。偏差平方和はExcel 関数のDEVSQ関数で求めることができます。
群間平方和
群間平方和は各群の平均値の全体平均からの偏差平方和ですが、群間平方和と群内平方和の和は全体平方和に等しいことから、ここでは、全体の偏差平方和から群内平方和を引くことで群間平方和を求めます。
自由度
群間平方和の自由度は群数−1、群内平方和の自由度はサンプルサイズ−群数、全体の自由度はサンプルサイズ−1で求められます。
F値
F値は、群間の平均平方を群内の平均平方で割ることで求められます。平均平方は偏差平方和を自由度で割った値です。
P値
P値は、Excel のF.DIST.RT関数にF値、分子の自由度、分母の自由度を指定することで求められます。この関数はExcel 2010 から搭載されたもので、Excel 2007 以前でのFDIST関数に対応しています。
分散分析表
以上で分散分析表は完成です。P値は帰無仮説「各群の母平均は等しい」の有意確率なので、このデータでは5%の有意水準で帰無仮説は棄却され、食餌の摂取量による成長の程度には差があると言えます。
ダウンロード
この統計TipのExcel ファイルのダウンロードはこちらから → tips_11.xlsx
このコンテンツは、Excel 2016を用いて作成しています。
関連記事
- 解析事例|エクセル統計による一元配置分散分析
- 解析事例|エクセル統計による二元配置分散分析
- コラム「統計備忘録」|ANOVA と GLM
- コラム「統計備忘録」|反復の原則 ―フィッシャーの3原則(1)
- コラム「統計備忘録」|無作為化の原則 ―フィッシャーの3原則(2)
- コラム「統計備忘録」|局所管理の原則 ―フィッシャーの3原則(3)
- コラム「統計備忘録」|エクセル統計の分散分析について
- コラム「統計備忘録」|検定の多重性