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移動平均の計算方法

2017/12/13

カテゴリ:

移動平均の計算方法を紹介します。

概要

移動平均とは、時系列データにおいて、ある一定区間ごとの平均値を区間をずらしながら求めたものです。移動平均を用いてグラフを作成すると、長期的な傾向を表す滑らかな曲線が得られます。移動平均の計算方法は区間が奇数か偶数かによって異なります。

区間が奇数の場合

区間を2n+1(n≥1)とすると、第a期(a≥n+1)の移動平均値は、第a−n期から第a+n期の平均値となります。例えば、区間が3の場合の第9期の移動平均値は、第8期から第10期(8・9・10)の平均値となります。x_ii期のデータを、\bar{x}_jj期の移動平均とおくと、移動平均の計算式は次のように表せます。

 \displaystyle \bar{x}_9 = \frac{x_{8} + x_{9} +x_{10}}{3}

下図では、第1期から第12期までのデータに対し、区間3で第2期から第11期までの移動平均を求めたものです。

区間3の移動平均

グラフに表すと下図のようになります。

区間3の移動平均のグラフ

区間が偶数の場合

区間を2n(n≥1)とすると、第a期(a≥n+1)の移動平均値は、第a−n期から第a+n−1期の平均値と第a−n+1期から第a+n期の平均値の平均となります。例えば、区間が4の場合の第9期の移動平均値は、第7期から第10期(7・8・9・10)の平均値と第8期から第11期(8・9・10・11)の平均値の平均になります。式で表すと次のようになります。

 \displaystyle \bar{x}_9 = \frac{\frac{x_{7}+x_{8} + x_{9} +x_{10}}{4} + \frac{x_{8}+x_{9} + x_{10} +x_{11}}{4}}{2}

下図では、第1期から第12期までのデータに対し、区間4で第3期から第10期までの移動平均を求めたものです。

区間4の移動平均

グラフに表すと下図のようになります。

区間4の移動平均のグラフ

移動平均の意味

時系列データの周期と移動平均の区間が等しい場合、周期の影響は完全に排除されます。次のデータは、Y=2Xという線形トレンドに周期3の変動を加えて作った人工的な時系列データです。この時系列データについて区間3の移動平均を計算すると、周期が除去されて、元の線形トレンドに戻ります。

ただし、実際のデータでは複数の周期性や不規則変動が含まれるため、移動平均によって周期の影響を完全に除去することはできません。

人工の時系列データと移動平均

下図は上記のデータをグラフに表したものです。移動平均では時系列データの周期性が除去されているのがわかります。

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