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2021年6月統計検定2級の問題の解説(その2)

2021/08/07

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※統計検定2級 解説記事一覧はこちら


下記のリンクからそれぞれの問題の解説に飛ぶことができます。

問8 [10]

与えられた同時確率関数から、1つ1つの確率を求めます。

 \displaystyle E(X=1)=E(X=-1)=0+\frac{1}{4}+0=\frac{1}{4}
 \displaystyle E(X=0)=\frac{1}{4}+0+\frac{1}{4}=\frac{1}{2}
 \displaystyle E(Y=1)=E(Y=-1)=0+\frac{1}{4}+0=\frac{1}{4}
 \displaystyle E(Y=0)=\frac{1}{4}+0+\frac{1}{4}=\frac{1}{2}
 \displaystyle E(Y=1)=E(Y=-1)=0+\frac{1}{4}+0=\frac{1}{4}
 \displaystyle E(Y=0)=\frac{1}{4}+0+\frac{1}{4}=\frac{1}{2}
 \displaystyle E(XY=1)=E(X=1,Y=1)+E(X=-1,Y=-1)=0
 \displaystyle E(XY=-1)=E(X=1,Y=-1)+E(X=-1,Y=1)=0
 \displaystyle E(XY=0)=1-E(XY=1)-E(XY=-1)=1

したがって、これらの確率を用いて、

 \displaystyle E(X^2)=1^2 \times \frac{1}{4} + 0^2 \times 0 + (-1)^2 \times \frac{1}{4} = \frac{1}{2}
 \displaystyle E(Y^2)=1^2 \times \frac{1}{4} + 0^2 \times 0 + (-1)^2 \times \frac{1}{4} = \frac{1}{2}
 \displaystyle E(X^4)=1^4 \times \frac{1}{4} + 0^4 \times 0 + (-1)^4 \times \frac{1}{4} = \frac{1}{2}
 \displaystyle E(Y^4)=1^4 \times \frac{1}{4} + 0^4 \times 0 + (-1)^4 \times \frac{1}{4} = \frac{1}{2}
 \displaystyle E(XY^4)=1^4 \times 0 + 0^4 \times 1 + (-1)^4 \times 0 = 0
 \displaystyle C(X^2,Y^2)=E(XY^4) -E(X^2)E(Y^2)=0 - \frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = -\frac{1}{4}
 \displaystyle V(X^2)=E(X^2)-\left\{E(X^2)\right\}^2 = \frac{1}{2} - \frac{1}{4} = \frac{1}{4}
 \displaystyle V(Y^2)=E(Y^2)-\left\{E(Y^2)\right\}^2 = \frac{1}{2} - \frac{1}{4} = \frac{1}{4}

となります。したがって、相関係数は

 \displaystyle r=\frac{C(X^2,Y^2)}{\sqrt{V(X^2)V(Y^2)}} = \frac{-1/4}{\sqrt{1/4 \times 1/4}} = -1

となります。また、X^2Y^2が独立であるかどうかを確認するためにP(X^2,Y^2)=P(X^2)P(Y^2)が成り立つかどうかを確認します。X^2=0Y^2=0のときP(X^2=0,Y^2=0)=0P(X^2=0)=1/2P(Y^2=0)=1/2であり、P(X^2,Y^2)=P(X^2)P(Y^2)が成り立ちません。したがって、X^2Y^2は互いに独立ではありません。

※このようにガリガリ計算すると相関係数が計算ができるのですが、試験時間を考えるとあまり得策ではないかもしれません。高速で答えを導くにはまずX^2Y^2が0及び1のときの確率を求めます。与えられた同時確率関数から

P(X^2=0, Y^2=0)=0P(X^2=1, Y^2=0)=1/2P(X^2=0, Y^2=1)=1/2P(X^2=1, Y^2=1)=0

となることから、相関係数は-1と分かります。

問9 [11]

25人全員がバラバラの誕生日である確率は

 \displaystyle \frac{_{365}P_{25}}{365^{25}} = \frac{1}{365^{25}} \times \frac{365!}{(365-25)!} = \frac{365!}{365^{25} \times 340!}

となります。分子の_{365}P_{25}は「365日の中から重複を許さず25日を選んで並べる」場合の数を意味します。

したがって、25人の中で同じ誕生日の人が存在する確率は

 \displaystyle 1 - \frac{365!}{365^{25} \times 340!}

となります。

問10 [12]

まず、標準正規分布表の中から「0.011」を探します。すると、P(Z \geq u=2.29)=0.01であることが分かります。これはP(Z \leq u=-2.29)=0.01と表すこともできます。

次に、標準正規分布上のu=-2.29を正規分布N(60, 9^2)上の値に変換します。正規分布N(\mu, \sigma^2)に従う値xを正規化(標準正規分布上の値に変換)するには、xから平均\muを引き、その値を標準偏差\sigmaで割ります。ここで、求める値をxとおくと、

 \displaystyle \frac{x-60}{9} = -2.29

より、x=39.39となります。

問11 [13]

累積分布関数とは「確率変数Xがある値x以下(X \geq x)の値となる確率」を表す関数です。問題文よりXが1以下となる確率は1であることから、Xが1より大きくなる確率は0となります。

問11 [14]

まずは、累積分布関数F(x)から確率密度関数f(x)を求めます。確率密度関数は累積分布関数を微分することで求めることができます。

x<01 \leq xは定数なので微分すると0になることから、ここでは0\leq x<1の範囲のみを考えます。F(x)=xを微分するとf(x)=1になります。

確率密度関数の期待値は次の式から求められます。

 \displaystyle E(X)=\int^{\infty}_{-\infty}xf(x)dx

したがって、求める期待値は

 \displaystyle E(X)=\int^{\infty}_{-\infty}xf(x)dx=\int^{1}_{0}x \times 1 dx=\int^{1}_{0}xdx=\left[\frac{1}{2}x^2\right]^1_0=\frac{1}{2}

となります。

問12 [15]

確率変数Xが成功確率pの幾何分布に従っている時、期待値は以下のようになります。

 \displaystyle E(X)=\frac{1}{p}

問題文よりp=1/3なので、求める期待値は

 \displaystyle E(X)=\frac{1}{\frac{1}{3}}=3

となります。幾何分布の詳細についてはこちらをご覧ください。

問12 [16]

確率変数Xにおける期待値E(X)と分散V(X)、任意の値をkとすると、チェビシェフの不等式は次のように表せます。

 \displaystyle P(|X-E(X)|>k) \leq \frac{V(X)}{k^2}

ただし、この問題は標本平均に関する問題なので、

 \displaystyle P(|\bar{X}-E(X)|>k) \leq \frac{\frac{V(X)}{n}}{k^2}

となります。問題文より、分散は

 \displaystyle V(X)=\frac{1-p}{p^2}=\frac{1-\frac{1}{3}}{\left(\frac{1}{3} \right)^2} = 6

となります。したがってチェビシェフの不等式は次のように書けます。

 \displaystyle P(|\bar{X}-3|>k) \leq \frac{6}{nk^2}

問13 [17]

I:
推定量は一意に定まる値ではなく、様々な値を取ります。そして、それらの値を取る確率が決まっているので、確率変数です。

II:
一致性の定義より正しいです。

III:×
「一致性」と「不偏性」は全く異なる性質を表す指標です。

問14 [18]

標本から算出した推定量の期待値が母集団のそれに等しいとき、その推定量を不偏推定量と言います。与えられた式の期待値を1つずつ求めてみます。

 \displaystyle E(\widehat{\mu}_1) = E\left(\frac{1}{n}\sum^{n}_{i=1}X_i \right) = \frac{1}{n}\left(\sum^{n}_{i=1}E(X) \right) = \frac{1}{n} \times nE(X) = E(X) = \mu
 \displaystyle E(\widehat{\mu}_2) = E\left(\frac{1}{2}(X_1+X_n) \right) = \frac{1}{2}\left(E(X) + E(X) \right) = \frac{1}{2} \times 2E(X) = E(X) = \mu
 \displaystyle E(\widehat{\mu}_3) = E(X_1) = E(X) = \mu
 \displaystyle E(\widehat{\mu}_4) = E\left(\frac{2}{n(n+1)}\sum^{n}_{i=1}iX_i \right) = \frac{2}{n(n+1)}\left(\sum^{n}_{i=1}iE(X) \right) = \frac{2}{n(n+1)} \times \frac{1}{2}n(n+1) \times E(X) = E(X) = \mu

したがって、\widehat{\mu}_1\widehat{\mu}_2\widehat{\mu}_3\widehat{\mu}_4はすべて\muの不偏推定量であることが分かります。

問14 [19]

与えられた式の分散を1つずつ求めてみます。

 \displaystyle V(\widehat{\mu}_1) = V\left(\frac{1}{n}\sum^{n}_{i=1}X_i \right) = \frac{1}{n^2}\left(\sum^{n}_{i=1}V(X) \right) = \frac{1}{n^2} \times nV(X) = \frac{1}{n}V(X)
 \displaystyle V(\widehat{\mu}_2) = V\left(\frac{1}{2}(X_1+X_n) \right) = \frac{1}{4}\left(V(X) + V(X) \right) = \frac{1}{4} \times 2V(X) = \frac{1}{2} V(X)
 \displaystyle V(\widehat{\mu}_3) = V(X_1) = V(X)
 \displaystyle V(\widehat{\mu}_4) = V\left(\frac{2}{n(n+1)}\sum^{n}_{i=1}iX_i \right) = \frac{4}{n^2(n+1)^2}\left(\sum^{n}_{i=1}i^2V(X) \right) = \frac{4}{n^2(n+1)^2} \times \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1) \times V(X) = \frac{2(2n+1)}{3n(n+1)}V(X)

V(X)の係数を比較すると、\displaystyle \frac{1}{n} < \frac{1}{2} < 1 であり、\displaystyle \frac{2(2n+1)}{3n(n+1)}-\frac{1}{n} = \frac{n+1}{3n(n+1)} > 0 であることから、\widehat{\mu}_1 の分散が最も小さいことが分かります。


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