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統計検定2級CBT公式問題集の解説(検定の分野)

2026/10/18

カテゴリ:

※統計検定2級 解説記事一覧はこちら※


下記のリンクからそれぞれの問題の解説に飛ぶことができます。

問1

(ア)統計量 Z を用いて有意水準5%の両側検定を行う場合の棄却域は |Z|>1.96 です。この値は標準正規分布表からも確認できます。巻末にある「標準正規分布の上側確率」を見ると、上側確率が0.025(2.5%)となるのは、「u=1.9」かつ「u=.06」である値なので、「u=1.96」と読み取れます。

(イ)Z の分散を不偏分散に置き換えているので、統計量 T はt分布に従います。サンプルサイズを n とすると、t分布の自由度は (n-1) です。ここでは n=21 なので、自由度は 21−1=20 となります。巻末の「t分布のパーセント点」における「\nu=20(自由度)」と「\alpha=0.025(上側確率)」がクロスする値を見ると「2.086」となっていることから、統計量 T の棄却域は |T|>2.086 です。

(ウ)X_i が正規分布に従わない場合でも、サンプルサイズが大きい場合には中心極限定理に基づく正規近似により、統計量 T は正規分布に従うと考えることができます。したがって、棄却域は(ア)と同じ |T|>1.96 となります。

問2

第1種の誤り(過誤)とは「本当は帰無仮説が正しいのに、誤って帰無仮説を棄却してしまうこと」です。この問題では帰無仮説は「画鋲の針が上向きになる確率 p は0.62である」なので、第1種の誤りは「本当は画鋲の針が上向きになる確率 p は0.62であるのに、この帰無仮説を棄却してしまうこと」になります。

第1種の誤りを犯す確率は、帰無仮説を棄却する確率のことです。この問題では、画鋲を3回続けて投げ、3回とも針が上向きになったときか3回とも針が下向きになったときに帰無仮説を棄却するので、これらの確率が第1種の誤りを犯す確率になります。すなわち、 0.62^2 + (1-0.62)^2 = 0.62^2 + 0.38^2 = 0.2932 となります。

問3

与えられた値の中に不偏分散が含まれている(母分散は含まれていない)ことから、次の式から統計量 t を算出し、t分布を用いたt検定を行います。 \overline{x} はデータの平均、\mu は母平均、n はサンプルサイズを表します。

 \displaystyle t=\frac{\overline{x}-\mu}{\sqrt{\frac{s^{2}}{n}}}

問題文の値を使うと、統計量 t は

 \displaystyle t = \frac{3.23-0}{\sqrt{\frac{8.72^2}{24}}}=1.81

となります。この問題では対立仮説が「\mu>0」となっているので、片側検定を行うという点に注意が必要です。

検定で用いるt分布の自由度は (n-1)=24-1=23 です。巻末の「t分布のパーセント点」を見ると、有意水準10%での棄却点は |t_{0.10}(23)|>1.319、有意水準5%での棄却点は |t_{0.05}(23)|>1.714、有意水準2.5%での棄却点は |t_{0.025}(23)|>2.069、有意水準1%での棄却点は |t_{0.01}(23)|>2.500です。したがって、有意水準5%で棄却できるが、2.5%では棄却できません。

この結果からわかるように、有意水準は小さいほど、帰無仮説が棄却されにくくなります。

問4

(ア)問題文に「対立仮説H_1: p \neq p_0」とあり、片方の群に対する大小関係を見ることが目的であることから両側検定を行います。

(イ)統計量 Z を用いて有意水準5%の両側検定を行う場合の棄却域は |Z|>1.96 です。

(ウ)統計量 Z が |Z|>1.96 となる場合、帰無仮説を棄却します。

問5

この問題では母比率の検定を行います。母比率の検定では、サンプルサイズ n が十分に大きい時には、次の式から得られる統計量 z は近似的に標準正規分布 N(0, 1) に従うことを用いて検定を行います。\widehat{p} は標本比率、p_{0} は母比率、n はサンプルサイズを表します。

 \displaystyle z=\frac{\widehat{p}-p_{0}}{\sqrt{\frac{p_{0} (1-p_{0})}{n}}}

\widehat{p}=16/200、p_{0}=0.05、n=200 なので、統計量 z は

 \displaystyle z=\frac{\frac{16}{200}-0.05}{\sqrt{\frac{0.05 \times (1-0.05)}{200}}}=1.95

巻末の「標準正規分布の上側確率」を見ると、「u=1.9」かつ「u=.05」である値は「0.026」です。この値が P 値となります。

母比率の検定については「25-1. 母比率の検定」をご覧ください。

問6

2つの母平均の差に関するt検定(対応がない場合の2標本t検定)では、1群目の標本平均を \overline{x}_{1}、母平均を \mu_1、サンプルサイズを n_{1}、2群目の標本平均を \overline{x}_{2}、母平均を \mu_2、サンプルサイズを n_{2} としたときに、次の式から算出される統計量tが自由度 (n_{1}+n_{2}-2) のt分布に従うことを用いて検定を行います。

 \displaystyle t=\frac{\overline{x}_{1}-\overline{x}_{2}-(\mu_1-\mu_2)}{\sqrt{s_{p}^{2}\left(\frac{1}{n_{1}}+\frac{1}{n_{2}}\right)}}

ただし、帰無仮説である「2群の母平均が等しい」という仮説が正しいとすると、(\mu_1-\mu_2)=0 であることから、

 \displaystyle t=\frac{\overline{x}_{1}-\overline{x}_{2}}{\sqrt{s_{p}^{2}\left(\frac{1}{n_{1}}+\frac{1}{n_{2}}\right)}}

となります。この式には2つの標本の不偏分散を用いて算出した「プールした分散 s^{2}」を使います。プールした分散とは、2つの標本の不偏分散を1つにまとめたもので、1群目の不偏分散を s_{1}^{2}、2群目の不偏分散を s_{2}^{2} とした場合、下の式から求めることができます。

 \displaystyle s_{p}^{2}=\frac{(n_{1}-1) \times {s_{1}}^{2}+(n_{2}-1) \times {s_{2}}^{2}}{n_{1}+n_{2}-2}

問題文より、まずプールした分散を求めます。

 \displaystyle s_{p}^{2}=\frac{(n_{1}-1) \times {s_{1}}^{2}+(n_{2}-1) \times {s_{2}}^{2}}{n_{1}+n_{2}-2}
 \displaystyle =\frac{(6-1) \times (13549/(6-1))+(6-1) \times (7763/(6-1))}{6+6-2}
 \displaystyle =\frac{13549 + 7763}{6+6-2} = 2131.2

この値を用いて統計量 t を求めます。

 \displaystyle t=\frac{\overline{x}_{1}-\overline{x}_{2}}{\sqrt{s_{p}^{2}\left(\frac{1}{n_{1}}+\frac{1}{n_{2}}\right)}}
 \displaystyle =\frac{233.7-185.3}{\sqrt{2131.2\left(\frac{1}{6}+\frac{1}{6}\right)}} \fallingdotseq 1.82

対応のない2標本t検定については「24-4. 対応のない2標本t検定」をご覧ください。

問7

この問題は、対応のある2標本検定の問題です。対データのサンプルサイズを n とすると、統計量 t が自由度 (n-1) のt分布に従うことを用いて検定を行います。したがって自由度は 10-1=9 となります。

有意水準5%の片側検定を行う場合、巻末の「t分布のパーセント点」における「\nu=10(自由度)」と「\alpha=0.05(上側確率)」がクロスする値を見ると「1.833」となっていることから、統計量 t の棄却域は |t|>1.833 です。


対応のある2標本t検定については「24-5. 対応のある2標本t検定」をご覧ください。

問8

母比率の差の検定では、サンプルサイズ n が十分に大きい時には、次の式から得られる統計量 z が近似的に標準正規分布 N(0, 1) に従うことを用いて検定を行います。1群目の標本比率を \widehat{p}_{1}、サンプルサイズを n_{1}、2群目の標本比率を \widehat{p}_{2}、サンプルサイズを n_2 とします。

 \displaystyle z=\frac{\widehat{p}_{1}-\widehat{p}_{2}}{\sqrt{\widehat{p}(1-\widehat{p}) \left(\frac{1}{n_1}+\frac{1}{n_2} \right)}}

この式には2つの標本比率を1つにまとめた標本比率(プールした標本比率)\widehat{p} を使います。プールした標本比率 \widehat{p} は次の式から求めます。

 \displaystyle \widehat{p}=\frac{n_1\widehat{p}_1+n_2\widehat{p}_2}{n_1+n_2}

問題文より、まずプールした標本比率を求めます。

 \displaystyle \widehat{p}=\frac{n_1\widehat{p}_1+n_2\widehat{p}_2}{n_1+n_2}
 \displaystyle =\frac{200 \times \frac{16}{200}+200 \times \frac{17}{200}}{200+200} = 0.0825

この値を用いて統計量 z を求めます。

 \displaystyle z=\frac{\widehat{p}_{1}-\widehat{p}_{2}}{\sqrt{\widehat{p}(1-\widehat{p}) \left(\frac{1}{n_1}+\frac{1}{n_2} \right)}}
 \displaystyle z=\frac{\frac{16}{200} - \frac{17}{200}}{\sqrt{0.0825 \times (1-0.0825) \left(\frac{1}{200}+\frac{1}{200} \right)}} \fallingdotseq -0.18

出てきた値は「-0.18」ですが「0.18」として巻末の「標準正規分布の上側確率」を見ます。「u=0.1」かつ「u=.08」である値は「0.4286」です。この問題は、対立仮説が d \neq 0 となっていることから両側検定を行います。したがって、

 \displaystyle 0.4286 \times 2 \fallingdotseq 0.86

が P 値となります。


母比率の差の検定については「25-7. 母比率の差の検定」をご覧ください。

問9

等分散性の検定では、1群目の不偏分散を s_{1}^{2}、サンプルサイズを n_{1}、2群目の不偏分散を s_{2}^{2}、サンプルサイズを n_{2} としたときに、次の式から算出される統計量 F が自由度 (n_{1}, n_{2}-2) のF分布に従うことを用いて検定を行います。ただし、等分散性の検定においてF統計量を算出するときには、2つの分散のうち大きな値の方を分子にします。

 \displaystyle F=\frac{s_{1}^{2}}{s_{2}^{2}} = \frac{19.5^{2}}{14.5^{2}} \fallingdotseq 1.81

問題文より、統計量Fが自由度 (21-1, 41-1)=(20, 40) のF分布に従うことを用いて検定を行います。また、この検定は2群の母分散が等しいかどうかを見ることが目的であることから両側検定を行います。巻末の「F分布のパーセント点」の「\alpha=0.025」の表を見ると、「\nu_1=20」と「\nu_2=40」がクロスする値を見ると「2.068」となっていることから、統計量 F の1つ目の棄却域は F>2.068 です。

次に反対側の棄却域を求めます。反対側の棄却域は自由度(40, 20)における値の逆数です。巻末の「F分布のパーセント点」の「\alpha=0.025」の表を見ると、「\nu_1=40」と「\nu_2=20」がクロスする値を見ると「2.287」となっていることから、統計量 F の2つ目の棄却域は F<1/2.287=0.437 です。

したがって 0.437 < F < 2.068 となることから、この検定では帰無仮説は棄却されません。


等分散性の検定については「28-4. 等分散性の検定」をご覧ください。

問10

まず、第1種の過誤の確率 \alpha(x_0) を求めるための式を求めます。第1種の過誤の確率とは「本当は帰無仮説が正しいのに、誤って帰無仮説を棄却してしまう確率のこと」です。問題文より、帰無仮説が正しい時、X は N(0, 1) の標準正規分布に従います。X の観測値 x が x \geq x_0 のとき帰無仮説は棄却されます。

ここで、累積分布関数を F(x) とします。累積分布関数とは「確率変数Xがある値 x 以下 (X \leq x) の値となる確率 P(X  \leq x)」を表す関数です。したがって、

 \displaystyle \alpha(x_0) = 1-P(X \leq x_0) = 1-F(x_0)
 \displaystyle \leftrightarrow 1-\alpha(x_0) = 1-(1-F(x_0)) = F(x_0)

となります。次に、第2種の過誤の確率を求めるための式を求めます。第2種の過誤の確率とは「対立仮説が正しいときに、誤って帰無仮説を棄却しない確率のこと」です。問題文より、対立仮説が正しい時、X は N(1, 1) の正規分布に従います。X の観測値 x が x \leq x_0 のとき帰無仮説は棄却されます。

すなわち、対立仮説が正しい時、X-1 は N(0, 1) の標準正規分布に従います。X-1 の観測値 x-1 が x-1 \leq x_0-1 のとき帰無仮説は棄却されます。

 \displaystyle \beta(x_0) = P(X-1 \leq x_0-1) = F(x_0-1)

これらの式を用いての値をいくつか求めます。このとき、巻末の「標準正規分布の上側確率」を用います。

x_0=0 のとき、1-\alpha(0) = F(0) =0.5000、\beta(x_0) = F(0-1) = F(-1) = 1-F(1) = 0.1587

x_0=0.25 のとき、1-\alpha(0.25) = F(0.25) =0.5987、\beta(x_0) = F(0.25-1) = F(-0.75) = 1-F(0.75) = 0.2266

x_0=0.5 のとき、1-\alpha(0.5) = F(0.5) =0.6915、\beta(x_0) = F(0.5-1) = F(-0.5) = 1-F(0.5) = 0.3085

x_0=0.75 のとき、1-\alpha(0.75) = F(0.75) =0.7734、\beta(x_0) = F(0.75-1) = F(-0.25) = 1-F(0.25) = 0.4013

x_0=1 のとき、1-\alpha(1) = F(1) =0.8413、\beta(x_0) = F(1-1) = F(0) = 0.5000


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