単変量解析とは
2017/08/19
カテゴリ:コラム「統計備忘録」
タグ:統計備忘録
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エクセル統計のサポートをしていると、「単変量解析をするにはどうしたらよいのか」という問い合わせを受けることがあります。単変量解析が説明変数(=独立変数)が1つだけの解析という意味なら、ほとんどの場合は多変量解析のツールをそのまま使うことができます。多変量解析の入門書を読むと、説明変数が複数あるときだけしか適用事例を挙げていないので、このような誤解を生むのだと思います。
Excelだと、「単回帰分析」も「重回帰分析」もなく、「回帰分析」があるだけです。そのため、Excelでは、単回帰分析ができないと思っている人もいれば、重回帰分析ができないと思っている人もかなりの数でいらっしゃるようです。まれに、どちらもできないと思っている方もいらっしゃいます。Excelの「回帰分析」は16個までの変数が扱える重回帰分析のツールです。当然、単回帰分析も可能です(回帰分析は分析ツール・アドインの中に入っています。関数ならLINESTです。単回帰係数を調べたいだけなら、散布図グラフを作って近似曲線を追加するという方法もあります)。
さて、本によっては、単変量解析を「変数一つ一つについて、単独で分布を確認する」という意味で使っていることもあります。このような書き方をしている本であれば、説明変数と目的変数がそれぞれ1個の場合を2変量解析としています。こちらの2変量解析も多変量解析のツールで行えます。