知能指数
2017/08/14
カテゴリ:コラム「統計備忘録」
タグ:統計備忘録
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前回「z得点とZ得点」という記事で、標準得点の例としてz値とZ値(偏差値)を取り上げましたが、他にも皆さんが良く目にするものとしては知能指数があります。
知能指数は標準偏差(S)が15か16、平均(M)は100です。知能指数というと精神年齢を実際の年齢で割って100を掛けたものと思っている方が多いかもしれませんが、現在では、標準得点化された知能指数が主流です。標準得点化された知能指数のことを厳密には偏差IQ(deviation IQ)と言い、DIQと略します。
標準偏差が15であるか16であるかは、知能検査の種類の違いによるもので、15がウェクスラー式知能検査(幼児用のWPPSI、子供用のWISC、大人用のWAISがある)、16が田中ビネー式知能検査です。
ウェクスラー式はS=15 ですから、DIQが70から130までに95.45%の人が含まれることになります。ExcelのNORMDIST関数を使えば、この比率を簡単に求められます。
=NORMDIST(130,100,15,TRUE)-NORMDIST(70,100,15,TRUE)
=0.9545
知能検査の多くは言語知識や絵画完成など10個前後の検査によって構成されています。知識量や常識的判断が絡む検査では、文化や時代の違いによって平均像も変わってきます。例えば、今の子供にダイヤル式の固定電話の絵を見せたとしても、それが電話だとは分かりません。そのため、平均や標準偏差が維持されるよう時々改定を行っています。