クラスカル=ウォリス検定と多重比較─エクセル統計による解析事例
2017/04/19
カテゴリ:解析事例
※ このコンテンツは「エクセル統計(BellCurve for Excel)」を用いた解析事例です。
分析データ
下図は、卵巣を除去した雌のグッピーの尻びれに与える雄性ホルモンと発情ホルモンの雄性化作用を調べた結果です。表中の数値は、尻びれの第3番目のすじにある節の数で、これが雄性化の指標となります。エクセル統計を用いてクラスカル=ウォリス検定と多重比較を行い、ホルモンの投与によって雄性化作用に差があるかどうか分析します。(石居 進, "生物統計学入門", 培風館, 1995,P9 参照)
ダイアログの設定
下図のように、セル範囲「B3:E3」を選択後、メニューより[エクセル統計]→[ノンパラメトリック検定]→[クラスカル=ウォリス検定と多重比較]を選択します。
ダイアログが表示される際、セル範囲「B3:E8」が[データ入力範囲]に自動で指定されます。多重比較の方法として[Steel-Dwass]にチェックを入れ、[OK]を選択して分析を実行します。
基本統計量
各群のサンプルサイズと平均順位が出力されます。平均順位は、4群をひとまとめにしたデータにおける各群のデータの順位の平均値です。
クラスカル=ウォリス検定
クラスカル=ウォリス検定の結果が出力されます。P値が0.0013なので、有意水準1%で帰無仮説「各群の中央値は等しい」は棄却されました。
多重比較
Steel-Dwass法による多重比較を行った結果が出力されます。「A群」と「B群」、「A群」と「C群」、「A群」と「D群」の比較において、有意水準5%で帰無仮説「2群の中央値は等しい」は棄却されました。
考察
卵巣除去グッピーの尻びれに対し、雄性ホルモンは雄性化作用をもたらすが、雄性ホルモンと発情ホルモンが両方投与された場合には雄性化作用は見られないことがわかりました。発情ホルモンには、雄性ホルモンの雄性化作用を抑える働きがあることが予想されます。
※ 掲載している画像は、エクセル統計による出力後に一部書式設定を行ったものです。
ダウンロード
この解析事例のExcel ファイルのダウンロードはこちらから → example_28.xlsx
このファイルは、エクセル統計の体験版に対応しています。