【2019年版】プロ野球のドラフト会議で最もくじ運のいい球団は?
2020/10/03
カテゴリ:スポーツ
2019年のドラフト会議が2019年10月17日に行われ、1位指名する選手を巡って5回のくじ引きが行われました。
「令和の怪物」と呼ばれた佐々木選手や夏の甲子園準優勝投手である奥川選手などが、1位指名に名を連ねました。
近年、パ・リーグの球団があたりを引くことが多い印象があります。そこで、実際のところどの球団がくじ運がいいのか、過去3回にわたって各球団のくじ運を分析しています。
今回は、どのような結果になるでしょうか。早速、分析してみましょう。
(過去の分析結果が気になる方ははこちらから。【2016年版】・【2017年版】・【2018年版】)
今回の分析は、楽天が創設された2005年から2019年までの15年間に行われた67回のくじ引きを分析対象としました。
下図は、2005年から2019年までの67回のくじ引きについて、年度、順位、選手、指名球団の一覧です。
指名球団のうち、先頭の球団が当たりを引いた球団です。また、横浜とDeNAは同一球団として扱いました。
くじ引きの回数が多いのは、阪神と日本ハム
まず、球団別のくじ引き回数を見てみます。下図は、くじ引き回数について、12球団を降順に並べた横棒グラフです。
一番くじ引き回数の多い球団は20回の阪神と日本ハムでした。最も少ないのは西武の10回でした。
阪神は今回はくじ引きを行っていませんが、昨年と変わらず、くじ引き回数が最も多い球団の一つとなっています。
なお、1位を単独指名した場合や1位指名のくじ引きで当たりを引いた場合は外れ1位の指名には臨まないため、くじ引きを行なった回数を単純に比較することはできません。
続いて、くじ運の良さを計算していきます。計算方法として適切かどうかについては考慮していませんので、ご了承ください。
くじ運の良さの計算方法~その1~
まずは単純な計算方法として、当たりを引いた回数を分子、くじ引きの回数を分母とした値を求めてみました。
最もくじ運が良い球団はロッテで、7割越えの確率で当たりくじを引いています。また、中日は今まで楽天に次いで3番目でしたが、今回石川選手のくじ引きで当たりくじを引いたことで2番に躍り出ました。
上位6球団のうち4球団がパ・リーグの球団となっています。
ただし、この計算方法では何球団の競合で当たりを引いたかが考慮されないので、次の計算方法ではその点を考慮してみます。
くじ運の良さの計算方法~その2~
もう1つの計算方法として、当たりを引いた場合に重み付けをするような計算を行ってみました。
例えば、ある選手のくじ引きに4球団が参加したとします。このとき、当たりを引く確率は1/4ですが、当たりを引いた球団にはその逆数の4を割り当てます。
一方、外れを引いた他の3球団には、外れを引く確率である3/4をそのまま割り当てます。
くじ引きに参加しなかった他の8球団には1を割り当てます。
下図は、2019年の5回のくじ引きについて、12球団に数値を割り当てたデータです。
この方法で67回のくじ引きについてデータを作成すると、球団ごとに67件の数値が割り当てられます。
球団ごとに67件の数値の積を求め、これをくじ運の良さを表す数値としました。
やはり、最もくじ運がいいのはロッテ
下図は、前述した方法で求めた数値について、12球団を降順に並べた横棒グラフです。
最も高いのはロッテで31992.686と、群を抜いて値の大きい計算結果となりました。
ただし、データラベルを見ることで数値を把握することができるものの、数値の桁数の違いによって見づらいグラフとなっています。
このような場合、グラフの数値軸の設定において、チェックボックス[対数目盛を表示する]をオンにすることで見やすいグラフとなります。
下図は、数値軸を対数目盛に変更したグラフです。
数値の対数をとっているため、数値が1より小さい場合は負の方向に横棒が伸びています。
この計算方法の場合でも、パ・リーグの球団はくじ運がいいことが見て取れます。
その1で計算した結果では3番目だった楽天が、その2の計算では2番目になりました。中日は、その1の計算では2番目でしたが、その2の計算では3番目になっています。
これは、競合する球団が多いときに当たりくじを引くほど上位に上がる計算だからです。逆に、競合する球団が多いときに外れくじを引いても計算結果にあまり影響はありませんが、2球団などの少ない競合で外れくじを引いたときは数値に1/2をかけるので一気に下がります。
つまり、楽天は、くじ引きの回数に対する当たりくじの数が中日より少ないが、これまでに競合してきた球団数が中日より多いことを表しているのです。
結論
2019年の結果を踏まえても、最もくじ運がいいのはロッテです。続いて、楽天、中日となっています。中日は2年連続で当たりくじを引いていて、この2年間で見ればロッテと同等にくじ運が良いといえます。
なお、向こう数年はロッテの一位は変わりません。例えば、向こう3年の間に中日が4球団競合のくじ引きで当たりくじを3回引き、ロッテは逆に2球団競合のくじ引きで外れくじを3回引くようなことがあれば、それでやとロテと中日が同程度になります。
2020年のドラフト会議ではどの球団が当たりくじを引き、どの球団の外れくじを引くのか、どの選手がどの球団に行くのかとは別の視点で注目です。