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比率が0%のときの信頼区間(3の法則)

2017/08/26

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※コラム「統計備忘録」の記事一覧はこちら


医薬品の臨床試験を行って有害事象(AE:Adverse Event。患者さんにとって医療上望ましくないこと)の発現率が 0% だったとします。これは非常に望ましいことですが、もしかしたら被験者の数が少なくて有害事象が起こらなかっただけかもしれません。

浅井隆先生の『いまさら誰にもけない医学統計の基礎のキソ1』を読んでいたら「頻度が 0% か 100% の信頼区間」の節で、このような場合の95%信頼区間の求め方が載っていました。3 を被験者の数 n で割るだけで求められることから、「3の法則(Rule of 3)」と呼ぶそうです。

例えば、300人の臨床試験で発現率が 0% だったら、95%信頼区間は「 0%-1%(3/300)」ということになります。0% と 100% は裏返しの関係ですから、発現率が 100% なら信頼区間は「99%-100%」になります。

Wikipediaに解説を見つけたので読んでみると、「3の法則」で得られる結果は近似的なものですが、n が 30 を超えると大変良い近似値になるとありました。

製薬会社が新薬を発売すると、市販後3年以内に 3,000 例以上の症例を無作為抽出によって集めることになっています。この 3,000 という数字も「3の法則」が根拠になっているようです。市販後調査の 3,000 例にAEの発現例が1例たりとも無ければ、95% の確率で発現率は 0.1% を超えないだろうと言えるわけです。



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