Likert scale
2017/08/26
カテゴリ:コラム「統計備忘録」
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Likert scaleはLikert(1932)によって提案された心理測定法です。質問紙調査では回答者の態度や価値観を調べるときに用いられ、日本語では、リッカート尺度、リカート法、ライカート法など、人によって微妙に表現が異なります。
Likert scaleの第1の特徴は、次の5段階評価のように質問に対する賛否の程度を選択肢から選んで回答してもらいます。5段階評価が良いという人もいれば、7段階評価が適しているという人もいます。賛否どちらかにしてもらうために「どちらともいえない」を抜いて、4段階や6段階評価にすることもあります。質問の内容や、回答者の知性(子供に7段階は難しいなど)にもよるので何段階が最も適しているか一概には言えません。「全く」、「やや」、「あまり」など、副詞の捉え方も個人差がありますので、両端と真ん中の「どちらともいえない」だけ残して、「やや当てはまる」などは数字のみにしてしまうこともあります。
第2の特徴としては、この例のように「ユニークネス」を測りたいのなら、「ユニークネス」と関連が強いであろう幾つかの質問(山岡氏のユニークネス尺度は24の質問項目で構成されています)を行い、各質問の回答を点数化し、点数の合計でもって回答者のユニークさを評価します。人によっては「賛否の段階評価=Likert scale」と説明していることもありますが、それだけではLikert scaleと言えません。
各選択肢への点数の与え方は、質問ごとに、平均値が0、標準偏差が1になるよう標準化しておくのが本来の方法だったように記憶しています。既存の心理尺度など信頼性、妥当性がある程度確保されている質問群を使うなら、簡便的に、段階に応じて1点刻みの点数を与えるというのもよく行われています。
新たにオリジナルのLikert scaleを作ってみたいというのであれば、村上宣寛先生の『心理尺度の作り方』が参考になると思います。このとき必要になる因子分析やクロンバックのαなどはエクセル統計にも搭載されています。