幾つデータが必要か?―相関係数の有意性検定
2017/08/19
カテゴリ:コラム「統計備忘録」
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相関係数の統計的有意性の検定は「無相関の検定」と呼ばれています。相関係数がゼロである(=無相関)ことを帰無仮説としていることからこの名前が付いています。
このとき、相関係数rの値が小さいほど、有意な結果を得るためにより多くのサンプルが必要になります。簡単な目安として、以下のような経験則を使う場合があります。

r は相関係数です。|r| は相関係数の絶対値を表します。この式は、あくまで相関の大きさからざっくりと必要なサンプルサイズを見積もるための経験的な近似式であり、厳密な理論に基づいたものではありません。実際に検定を行う際には、有意水準(α)や検出力(1−β)を考慮した上で、正確にサンプルサイズを計算する必要があります。
この式を用いると、母相関係数が 0.4以上と想定し、有意水準を5%、検出力を80%に設定した場合、検定に必要な n を計算すると 24 になります。すなわち、ざっくりと24組のデータが必要であるということが分かります。
