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アンケートの質問の順序―キャリーオーバー効果

2017/08/14

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※コラム「統計備忘録」の記事一覧はこちら


アンケートを作るとき注意すべきものとして「キャリーオーバー効果」があります。

キャリーオーバー効果とは、前に置かれた質問が、後の質問の回答に影響を与えることです。キャリーオーバー効果を無くすことは不可能なので、影響を最小限に止めるようアンケートの質問の順序を考えなければいけません。

(1)重要な質問は前の方に

後になるほど効果が積み重なっていきますから、重要な質問は前の方に配置します。かといって冒頭で核心をつくような質問をしてしまうと、回答者が警戒したり、先入観を植えつけることになったりしますから、最初は答えやすい質問から始めます。

(2)因果関係が成り立つような質問同士では、結果を先に

質問A.「○○○は好きですか」
質問B.「○○○が▲▲▲であることを知っていますか」
Bを先に質問した場合、「▲▲▲」がポジティブかネガティブであるかで、Aの回答が変わってくると予想されます。この配置が意図的に行われているアンケートを時折目にしますが、このようなとき、私は本音よりも質問者の意図と逆を答えたくなります。

(3)センシティブな質問は最後に

個人のプライバシーに関わるような質問は匿名のアンケートであっても最後に置きます。ほとんどのアンケートで年齢や職業などの質問(このような個人属性についての質問が並んだシートをフェイスシートといいます)が最後にあるのはこのためです。

キャリーオーバーは質問項目間に限ったことではありません。アンケートには依頼の挨拶をつけるのが常識ですが、挨拶文に調査仮説(あるいは質問者の意図)を匂わせるような文章をいれてしまうのも厳禁です。タイトルの付け方も同様です。「血液型と性格についてのアンケート」の結果を正しく評価することはできないでしょう。


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