総務省家計調査から算出した貯蓄ジニ係数
2016/06/08
カテゴリ:統計調査
2016年5月17日、総務省は2人以上の世帯を対象にした「2015年家計調査」の速報値を発表しました。
公表された1世帯当たりの平均貯蓄額が「1,805万円」ということで、額の大きさが話題になりました。
貯蓄額の度数分布表
貯蓄額の度数分布表のデータは次の通りです。
総務省の発表によると、平均値が1,805万円ということでした。このデータの15行目を見ると、1,800万円未満の累積相対度数は0.6795となっていますので、約68%の世帯は平均値以下と言えます。
では、50%の世帯が含まれる値、すなわち中央値はいくつでしょうか。データの11行目を見ると、1,000万円未満の累積相対度数が0.4979となっています。次の行の1,200万円未満の累積相対度数は0.5557となっていますので、中央値は1,000万円を少し超えた辺りにありそうです。
また、モード(最頻値)を考察してみると、この階級の設定の場合、4,000万以上の階級の世帯数が最も多く、次に多いのが0万円以上100万円未満の階級となっています。
貯蓄額のヒストグラム
度数分布表を元に、Excelを使ってヒストグラムを作成しました。度数分布表の階級幅が一定でないので、縦棒グラフを使わずに散布図を使って階級幅の違いを表現してみました。ただし、最後の階級については、上限値が定まっていないので正確ではありません。
貯蓄額のローレンツ曲線とジニ係数
度数分布表を元に、エクセル統計を用いてローレンツ曲線を作成しました。貯蓄額の度数分布に偏りがなければ、ローレンツ曲線は斜めの対角線と一致します。ジニ係数は、対角線とローレンツ曲線との間の面積を2倍した値で0から1までの値を取ります。ジニ係数がが大きいほど、貯蓄額に格差があることを示します。
今回のデータの場合、ジニ係数は0.5158と求められ、ローレンツ曲線の形状を見てもある程度の格差はありそうです。
2002年から2015年までの貯蓄ジニ係数
2002年から2015年までの貯蓄ジニ係数を算出し、エクセル統計を用いて縦方向の折れ線グラフを作成しました。約0.49から0.52までの間の中で推移していることがわかります。
参照したデータ
総務省統計局の以下のページからデータを参照しました。