2017年6月統計検定2級の一部問題の解説
2017/06/20
カテゴリ:統計検定
タグ:2017年6月
※統計検定2級 解説記事一覧はこちら※
2017年6月に実施された統計検定2級の問題の解説をしています。
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問9(回答番号9,10)
この問題では確率変数の定数倍の分散と、和の分散の関係式を使用します。それぞれ次のような式です。
なお、問題文にXとYは独立であると書いてあるため、共分散は0であることに注意しましょう。
■回答番号9
まず、UとVの従う分布を求めます。正規分布の再生性より、UとVはそれぞれ次のような正規分布に従います。
特に明記していませんが、問題文中のを用いています。この時点で、UとVは同じ分布になる事がわかります。次に、UとVの相関係数を求めます。これをrとすると、相関係数の定義より次のようになります。
つまり、、の3つが分かれば、相関係数を求めることができます。、については先程の結果より、次の通りです。
次にを求めます。UとVの和の分散について、確率変数の和の分散の関係式から次のようになります。
右辺のとはであることが分かっているので、それぞれ代入します。
ここで、であることを利用します。右辺のの部分に注目すると、は次のように変形できます。
これを式に代入します。
以上の事からUとVの相関係数rは次のように求められます。
難しいように見えますが、基本的な変形のみで計算できました。
■回答番号10
各記述の正誤は次の通りです。
正:とは、ともに平均0の正規分布に従います。
正:のとき、前問よりとの共分散は0となるため、とは互いに独立になります。
正:前問の途中でも触れましたが、とはともにに従うことが分かっています。また、明らかにやがどのような値でも成立します。