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カプラン=マイヤー法─エクセル統計による解析事例

2017/04/19

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※ このコンテンツは「エクセル統計(BellCurve for Excel)」を用いた解析事例です。

分析データ

下図は、急性白血病患者を対象とする臨床比較試験で、6-MP治療群21名とプラセボ群21名の寛解期間のデータです。状態データは、0を打ち切り、1を死亡としています。エクセル統計を用いてカプラン=マイヤー法により生存率曲線を描くことで、6-MP治療の有効性を検討します。(出典;「医学への統計学[第3版]」朝倉書店)

急性白血病患者を対象とする臨床比較試験

ダイアログの設定

下図のように表の先頭2行「B3:E4」を選択します。メニューより[エクセル統計]→[生存分析・ハザード分析]→[カプラン=マイヤー法(表形式)]を選択します。

データ範囲の先頭2行を選択

ダイアログが表示される際、セル範囲「B3:E25」が[データ入力範囲]に自動で指定されます。[曲線上の打ち切り例をマークで表示する]をオンにし、[OK]を選択して分析を実行します。

カプラン=マイヤー法のダイアログ

カプラン=マイヤー法による生存率曲線

カプラン=マイヤー法による生存率曲線がExcel のグラフで出力されます。打ち切り例を独立した系列として描いているので、マークの書式設定が容易に行なえます。

カプラン=マイヤー法による生存率曲線

ケースの要約

各群の死亡、打ち切り、全体の件数が出力されます。

ケースの要約

生存時間の平均値と中央値

各群の生存時間の平均値と中央値、それぞれの95%信頼区間が出力されます。生存時間の平均値は、曲線とX軸とY軸とで囲まれる領域の面積から求められます。生存時間の中央値は、生存率が50%になる時間を表しています。

生存時間の平均値と中央値

生存率曲線の差の検定

ログランク検定と一般化ウィルコクソン検定を用いて生存率曲線の差の検定を行った結果が出力されます。

生存率曲線の差の検定

一般化ウィルコクソン検定が相対的に初期に起きた死亡を重く評価するのに対し、ログランク検定は後期の死亡を重く評価します。すなわち、時間経過と共に生存率曲線の差が開いてくるような場合、ログランク検定は一般化ウィルコクソン検定に比べて検出力が高くなります。また、生存率曲線が交差するような場合、いずれの手法も検出力が低くなります。

ログランク検定
エクセル統計では、Peto-Peto(ピトー=ピトー)による方法とCochran-Mantel-Haenszel(コクラン=マンテル=ヘンツェル)による方法の2種類のログランク検定を行います。Peto-Petoによる方法は計算方法が簡便ですが、Cochran-Mantel-Haenszelによる方法に比べて少し保守的で有意になりにくい性質があります。単にログランク検定という場合、一般にCochran-Mantel-Haenszelによる方法のことを指します。
一般化ウィルコクソン検定
エクセル統計では、Gehan-Breslow(ゲーハン=ブレスロウ)による方法とPeto-Prentice(ピトー=プレンティス)による方法の2種類の一般化Wilcoxon検定を行います。Gehan-Breslowによる方法は、初期に非常に多くの打ち切りがある場合、最初の数例の死亡でほとんど結果が決まってしまいます。また、打ち切りのパターンに依存して大きく結果が異なる欠点もあります。これらの欠点を改善したものがPeto-Prenticeによる方法となります。打ち切りがない場合、Gehan-Breslowによる方法とPeto-Prenticeによる方法の結果は等しくなります。

生存率表

各群の生存率表として、時間ごとに死亡数、打ち切り数、残数、累積生存率、累積生存率の標準誤差、累積生存率の95%信頼区間が出力されます。

生存率表

グラフ用データ

生存率曲線のグラフを作成するためのデータが出力されます。

グラフ用データ

考察

生存率曲線の差の検定において、いずれの手法もP値が0.01未満となったので、有意水準1%で6-MP治療群とプラセボ群とでは生存時間に差があると言えます。

※ 掲載している画像は、エクセル統計による出力後に一部書式設定を行ったものです。

ダウンロード

この解析事例のExcel ファイルのダウンロードはこちらから → example_26.xlsx

このファイルは、エクセル統計の体験版に対応しています。

参考書籍

関連リンク


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