Excel関数による行列の転置・積・逆行列・行列式の計算方法
2017/12/20
カテゴリ:Tips
タグ:Excel
Excel 関数による行列の転置・積・逆行列・行列式の計算方法を紹介します。
概要
Excel には行列の転置や積、逆行列の計算を行う関数が用意されています。行列の計算を行う関数は、引数と戻り値が配列(複数のセルからなる範囲)であり、配列数式と呼ばれます。
行列の転置
行列の転置(行列の入れ替え)を行う関数はTRANSPOSE関数です。元の行列の大きさが3行2列の場合、2行3列のセル範囲を選択した状態で下記のように数式を入力し、[Ctrl]+[Shift]+[Enter]を押すと結果が得られます。
行列の積
行列の積を計算する関数はMMULT関数です。2つの行列の積で求まる行列の大きさに等しいセル範囲を選択した状態で下記のように数式を入力し、[Ctrl]+[Shift]+[Enter]を押すと結果が得られます。
逆行列
逆行列を計算する関数はMINVERSE関数です。求まる逆行列の大きさに等しいセル範囲を選択した状態で下記のように数式を入力し、[Ctrl]+[Shift]+[Enter]を押すと結果が得られます。
ただし、MINVERSE関数は、行列式が0で逆行列を求められないケースでも値を返します。下図のように元の行列と逆行列の積を求めて検算することをお薦めします。
連立一次方程式
下記のような連立一次方程式の解を求めることもできます。
ここで、行列A、x、bを下記のように定義します。
これを用いて元の式は下記のように変形できます。
Excel でMINVERSEとMMULTを用い
行列式
行列式を計算する関数はMDETERM関数です。MDETERM関数は戻り値が配列ではないので配列数式ではありません。そのため、通常の関数と同様に入力して結果を得られます。
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