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夏休み映画の興行収入は口コミ次第!?

2017/09/12

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夏休みも終わって落ち着いてきたので、夏を振り返るべく「口コミ評価が高いほど夏休み映画の興行収入は高いのか?」について分析を行ってみました。夏休み映画というのは、文字通り夏休みに向けて公開される映画のことで、夏休みになった子供(や両親?)をターゲットにしています。漫画原作ものやアニメ、ディズニーなど知名度が高い映画が多いのが特徴です。

2017年の夏映画は、「パイレーツ・オブ・カリビアン5/最後の海賊」「銀魂」「忍びの国」「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」「怪盗グルーのミニオン大脱走」「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」などがありました。

残念ながら今年の夏映画についてはまだ最終の興行収入が出ていないので、2010年~2016年までに公開され、最終興行収入が10億円を超えた邦画35作品の分析を行いました。データは一般社団法人日本映画製作者連盟のHPに掲載されているものを使用しました。

まずは「Yahoo!映画」「映画.com」「Filmarks」の3つのサイトでの評価点を調べてみました。この3つは映画の口コミを投稿するサイトとして有名なものです。エクセル統計の「記述統計量」という手法を使っています。

評価点の平均値はだいたい似たような感じでした。標準偏差については「Yahoo!映画」が他の2つのサイトに比べて大きいようでした。「Yahoo!映画」では、容赦なく高評価や低評価をつける方が多いのかもしれません。

試しに「Yahoo!映画」と「映画.com」のデータを用いて等分散性の検定を行ってみたところ、有意な結果でした。エクセル統計の「等分散性の検定」で行いました。

次にこの3つの評価点同士の相関を見てみました。エクセル統計の「散布図行列」を使いました。上三角部分に書かれている数字が相関係数を表します。「Yahoo!映画」と「映画.com」の相関係数は0.85、「映画.com」と「Filmarks」は0.9、「Filmarks」と「Yahoo!映画」は0.79と読み取れます。

いずれの組み合わせでも相関係数は高く、これら3つのサイトの評価は非常に似通っているようです。特に「映画.com」と「Filmarks」間の相関係数は0.9であり、非常に強い相関を示していました。

最後に興行収入との相関を見てみました。「Filmarks」と興行収入との相関係数が最も高く、0.43でした。

ただし、散布図行列の1列目の3つの散布図を見てみると、なにやら外れ値(君の名は。)の影響が大きそうな感じがします。コラム「外れ値と相関係数」でも書きましたが、相関係数が外れ値の影響を受けているかどうかは散布図を書くと分かります。ということで、このデータを外して再度相関を見てみました。

すると、「Filmarks」と興行収入との相関係数は0.34程度となり、評価点と興行収入との間にはそこまで強い相関はないという結果になりました。

夏休みは次々に新作映画が公開されるので、とにかく公開初週にいかに人を惹きつけて人々に話題にしてもらうかが大事な気がしました。作品の善し悪しはもちろん大事だと思いますが、まずは「見たいな!気になるな!」と思わせる工夫が必要なのかなと思いました。



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