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情報バイアス information bias

2017/08/19

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※コラム「統計備忘録」の記事一覧はこちら


選択バイアスは研究対象の選び方に起因するものでしたが、正しく対象を選ぶことができても、測定の仕方に問題があり正しい情報が得られないことがあります。


想起バイアス recall bias

過去に起こったことを質問すると、人によって、思い出した内容の正確さや完全さが異なることにより起きます。 例えば、難病の子供を抱えた母親は、そうでない母親よりも、子供が幼いときのことを鮮明に憶えています。

思案バイアス rumination bias

回答者が質問の内容に思いを巡らして、大げさに回答したり、都合の良いように回答したりということがあります。よく似たバイアスにホーソン効果 Hawthorne effect があります。ホーソン効果とは実験に参加している人は、実験に参加しているという意識によって普段以上にパフォーマンスが上がるという現象です。

質問者バイアス interviewer bias

聞き取り調査のとき、質問者が先入観を持っていると、回答を誘導してしまったり、先入観にあてはまるように回答を解釈してしまったりすることがままあります。

測定バイアス measurement bias

測定装置に問題があったり、測定する人によって違いがあったりすることによるバイアスです。質問者バイアスも測定バイアスの1つと言えます。

家族情報バイアス family information bias

特定の疾病について調査する場合、罹患者の方が症状について詳しい為、家族の病気にも気付きやすく、罹患者の家族の罹患率が実態よりも高めになってしまう傾向があります。

社会的望ましさによるバイアス social desirability bias

アンケートでよくあることですが、無意識のうちに、あるいは、意識的に、回答者が自分を良く見せ掛けるような回答をしてしまいます。例えば、「拾ったお金は警察に届けますか」、「老人に席を譲りますか」というような質問をすると、実態よりも「はい」と答える人が多くなります。人によって社会的望ましさに対する反応の程度か異なるためバイアスを生じます。社会的容認バイアス、社会願望バイアスとも訳されます。


 

このほかにも、誤分類バイアス Misclassification bias、診断バイアス Diagnostic bias などがあります。



 

様々なバイアスを紹介した論文
Sackett,D,L: Bias in analytic research. Journal of Chronic Disease,32,51-63, 1979


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