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選択バイアス selection bias

2017/08/19

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※コラム「統計備忘録」の記事一覧はこちら


選択バイアスは、 実験や調査の対象となった集団が、母集団を正しく代表できていないときに起こる偏りです。次のようなバイアスが選択バイアスに分類されます。

自己選択バイアス self-selection bias

臨床試験などで参加者を募集すると、健康に自身のある人が集まってきたり、疾患に関心の高い人が集まったりと、参加者の意志が入り込むことによって起こるバイアス。志願者バイアス volunteer bias とも。

未回答者バイアス non-respondent bias

調査に回答してくれる人と回答してくれない人の間で違いがあること。未受診者バイアスとも。例としては、胃ガン検診受診者よりも未受診者の方が胃ガンによる死亡率が高いなどがある。

健康労働者効果 healthy worker effect

特定の職業や職場環境によるリスクなどを測ろうとして、事業所に勤務している労働者を対象にして調査すると、病気によってすでに退職した人、休業している人が含まれないため、一般人よりも健康という結果が出てしまうこと。

Berksonバイアス Berkson's bias

病院の患者などを調査対象とした場合、一般の人よりも有病率が高かったり、病院の専門性などにより特性に偏りがあったりすること。入院率バイアス admission rate bias とも。

Neymanバイアス Neyman's bias

症例対照研究の多くは病院への来院者から患者群と対照群を選ぶ為、進行が早く来院前に死亡することがある疾患や、来院しなくとも治癒してしまうような疾患では正しい比較ができないこと。罹患者-有病者バイアス prevalence-incidence bias とも。

脱落バイアス losses to follow up

長期にわたる追跡調査などでは、死亡、転居、同意撤回などにより、必ず脱落が発生する。脱落の理由が調査の目的や方法と関連がある場合、結果が歪む原因となる。


 

診断バイアス、発見兆候バイアスなどこのほかにもあります。選択バイアスの事例は医学統計に多く見られますが、病院を学校と読み替えてみれば、教育調査にもあてはまるものが多いと思います。



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