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平均寿命―平均寿命の計算法

2017/08/13

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※コラム「統計備忘録」の記事一覧はこちら


平均寿命をどうやって計算しているか考えたことはありますか?

平均寿命とは、1年間に亡くなった方の死亡時年齢を平均したものではありません。
人口の多い世代は、死亡率が低くとも死亡者数は前後の世代よりも多くなりますから、この方法では、団塊の世代が平均寿命を左右してしまいます。ちなみに、終戦前後(1945-1946年生まれ)の世代の年齢あたりの人口は平均140万人ですが、団塊の世代(1947-1949年生まれ)になると220万人を超えます。

それでは、平均寿命は一体どのように計算されているのでしょうか。

平均寿命の定義を調べてみると、0歳児の平均余命(へいきんよめい)と出てきます。「今年生まれた子が何歳まで生きるか」を予想した値です。厳密には平均値ではなく期待値です。

0歳児の平均余命を計算するには、年齢ごとに生きている人と亡くなった人の人数を調べて、各年齢の死亡率を調べます。この死亡率を使って10万人の0歳児が何歳まで生きられるのかシミュレーションします。

平成17年の資料では、0歳の男の子の死亡率は0.00298(0.298%)です。したがって1歳を迎えられるのは99,764人。1歳では0.00045なので2歳を迎えられるのは99,680人になります。こうやって最後の1人になるまで計算を繰り返し、最後に、各年齢の生存者数をすべて足し上げて、10万で割ったものが0歳児の平均余命です。

このシミュレーション結果を載せたものが、厚生労働省が公表している生命表です。生命表には毎年発表される簡易生命表と5年ごとに作られる完全生命表があります。生命保険会社にとって、生命表は、生命保険の料率を決める上で重要な資料となります。

平成17年の簡易生命表によると、女性の平均寿命は85.49歳、20年以上世界一です。男性は78.53歳でアイスランドに次いで2位につけています。

日本人の平均余命(2005年)
年齢男性女性
0歳
平均寿命
78.5385.49
20歳 59.0565.90
40歳 39.8246.35
65歳 18.1123.16
80歳 8.2311.11

簡易生命表には、各年齢での平均余命も載っていて、平均寿命と同じ79歳男性の平均余命は8.76年です。平均寿命を超えた方のうち、45%の方は米寿を迎えることができそうです。

詳しくは厚生労働省が発表している生命表を見てください。
Googleで「平均寿命」を検索すればトップページに出てきます。



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