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P=0.05だったら

2017/08/19

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※コラム「統計備忘録」の記事一覧はこちら


清水信博氏の『もう悩まない!論文が書ける統計 』の中の1節に、「 P = 0.05 だったらどうする」という1節があり、中々面白い話題なので紹介したいと思います。

ここに出てくる P とは、もちろん、統計ソフトを使って統計的仮説検定を行うと出力される P 値のことです。検定を行うときは、P が設定した基準を満たしたなら有意という判断をくだしますが、もっともよく使われる基準は P<0.05(5%未満)です。したがって、この基準を頑なに守った場合、P がちょうど 0.05 なら有意ではないということになります。

清水氏の本では、このようなときには、次のように対処すればよいと書かれています。

Materials & Methods のところで、「 P ≦ 0.05 を統計的に有意にする」と書いて、有意だったとしておけばよい。0.05 といっても単なる決まりごとで、20回に 1回起こるような出来事かどうかという目安でしかないのだから、“≦”か“<”にあまりこだわる必要はない。実際、「 P ≦ 0.05を統計的に有意にする」と書いてある論文もあるので、とりあえずそう書いて投稿して、何かコメントが返ってきたら、それにしたがっておけば良いだろう。

統計ソフトの多くは P 値の出力が小数点以下 3桁か 4桁まで出力します。従って、0.05 といっても、ちょうど 0.050 と出力されたときの話であって、0.054を四捨五入して 0.05 とするのは禁じ手とも書かれていますから、この点、よく注意してください。

さて、この話を読んでいて、エクセル統計のユーザーサポートを思い出しました。「 P = 0.050なのに判定にアスタリスク(*)が付いているのは何故?」という問い合わせです。エクセル統計では P 値を小数点以下第4桁以降も計算しており、本当は、0.04987 のように僅かに 0.050 を下回っていたのが、出力時に四捨五入され 0.050 となった珍しいケースでした。このようなこともありますので、検定結果を見るときは、アスタリスクだけでなく P 値も必ずチェックしてください。



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