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ロジスティック回帰分析(3)─統計WEBの効果

2017/08/14

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※コラム「統計備忘録」の記事一覧はこちら


統計WEBを訪れたことで統計学の実力が上がるかどうか未知数ですが、ある統計学のテストの結果から統計WEBの効果を推測してみたいと思います。テストを受けた人から、26人を抜き出し、統計WEBの閲覧経験と試験勉強に費やした時間を聞いてみました。

まずリスク比を計算してみますと、閲覧経験がある人の合格率は53.3%、ない人の合格率は27.3% ですからリスク比は1.96です。統計WEBを見た人の方が2倍近く合格するリスクが高い(妙な表現ですが)ということになります。

ただし、このデータは後ろ向きに収集したものですから、リスク比よりもオッズ比で比較してみましょう。まず、閲覧経験がある人の合格オッズは1.14(8 / 7)。これに対して見てない人の合格オッズは0.38(3 / 8)です。両者の比をとった3.05がオッズ比になり、リスク比よりも大きな値になっています。

このオッズ比がどれくらい信頼できるものなのかは、オッズ比の信頼区間を求めればよいのですが、その前に、オッズ比の性質について触れておきます。

まず、オッズ比はマイナスになることはありません。2つの事象XとYが独立であるときオッズ比は1になります。オッズ比が1よりも大きくなればなるほど、事象X(今回の例であれば閲覧経験あり)であれば事象Y(試験に合格)である確率が高くなります。逆に1よりも小さくなるほど、XであればYでない確率(試験に不合格の確率)が高くなります。

次に、オッズ比の逆数(1/オッズ比)を求めるとYの背反事象のオッズ比になります。今回の例ですと、閲覧経験のある人がない人に比べて、試験に不合格になるリスクということになります。不合格のオッズ比は0.33( = 1 / 3.05 )ですから、統計WEBを見ていると不合格になる確率は3分の1と小さくなります。リスク比に、このような性質はありません。

さて、オッズ比の信頼区間に話を戻しますが、オッズ比の信頼区間はロジスティック回帰分析を使って推定できます。推定するためにはデータのダミー変数化など幾つか手順が必要なのですが、それは、次回に廻すことにして、今回は結果だけ載せておきます。

ロジスティック回帰分析によるオッズ比の信頼区間は0.57から16.19を示しています。区間の下限が1を下回っていますので、データを取り直すと、今回とは逆に、統計WEBを見た人の方が合格率は低くなる可能性もあれば、今回以上に合格率が高くなるかもしれません。残念ながら、オッズ比の信頼区間が1をまたいでしまったので、今回の結果(オッズ比=3.05)からは、統計WEBを見たことで統計学の実力が上がるかどうかは未知数のままです。



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