2014年11月統計検定2級の一部問題の解説
2017/05/30
カテゴリ:統計検定
タグ:2014年11月
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問12(回答番号30,31)
■回答番号30
横軸の始まりが0ではないという点に注意が必要です。ひっかけ問題です。傾きは計算しやすい適当な2点から算出します。
■回答番号31
ア:1990年代です。家計消費支出前期比に1度だけ前年割れ(1を切っている値)があります。
イ:1980年代です。家計消費支出前期比と国民可処分所得前期比がすべて1を超えています。
ウ:2000年代です。国民可処分所得前期比が殆ど1を切っています。
問13(回答番号32,33,34,35)
■回答番号32
相関係数は大体0.7あたりであることが読み取れます。「相関係数の2乗が決定係数である」ことを使うこともできます。男性、女性のみの回帰モデルの決定係数がそれぞれ0.591, 0.564なので、これらの値から相関係数がおよそ0.75であることが確認できます。
■回答番号33
決定係数の値を見ます。
■回答番号34
傾きを比較するには、男女の傾きの差を用いるのが良いです。傾きのt値は傾きが0かどうかの検定を行うために使う値です。傾きの標準誤差は傾きの信頼性を示すものです。いずれも傾きの差を比較するために使うことはできません。
■回答番号35
I:×名義変数はダミー変数を用いて分析することができます。
II:×女子を0としているため、必ず一致します。
III:◯正しいです。
式を立ててから考えてみます。回帰分析によるモデルはこのようになります。体重=-69.459+22.009×性別+0.744×身長-0.147×(性別×身長)
男子の場合、性別=1なので 体重=-69.459+22.009×1+0.744×身長-0.147×(1×身長) =-69.459+22.009+0.744×身長-0.147×身長 =-45.450+0.597×身長となります。
女子の場合、性別=0なので 体重=-69.459+22.009×0+0.744×身長-0.147×(0×身長) =-69.459+0.744×身長となります。
したがって、女子のみの回帰係数の切片は「(性別×身長)」を入れた場合の切片と一致します。また、「(性別×身長)」の回帰係数は男子と女子の回帰直線の傾きの差に一致します。