クロス集計表の残差分析 : Residual Analysis
概要
クロス集計表(分割表)について独立性の検定(カイ二乗検定)を行い「2変数に連関がある」とわかったとき、残差分析によりどのセルの残差が有意に大きいかを分析することで、「2変数にどのような連関があるか」を調べることができます。
残差は観測度数から期待度数を引くことで求められます。他のセルの残差と比較するため各残差を標準化し、正規分布を用いてP値を求めます。
分析例ファイルのダウンロード
クロス集計表の残差分析を使用する際のデータの形式やダイアログの指定方法、出力結果などを以下のExcelファイルからご確認いただけます。ダウンロードしてご参照ください。この分析例ファイルは、製品をご購入された場合にも自動でインストールされます。
なお、エクセル統計の無料体験版では、分析例ファイルのデータを実際に分析してみることができます。
処理対象データ
集計表形式
データサイズ範囲 | 処理対象データ | |||
---|---|---|---|---|
行数 | 列数 | 数値 | 文字列 | 空白 |
2~60行 | 2~60列 | ○ | 欠 | 欠 |
※:○…処理可、×…処理不可、欠…0として処理
集計表概要
- 負の数を含まないこと
- データは整数であること
出力内容
観測度数 | データ入力範囲に指定されたクロス集計表 |
---|---|
期待度数 | 行要素と列要素の合計から期待される度数が出力されます。期待度数が5未満のセルは赤字で、1未満のセルは赤字かつ太字で表示されます。 |
残差 | 観測度数から期待度数を引いた値 |
調整済み標準化残差 | 残差を期待度数の平方根で割り標準化残差を求め、標準化残差を標準化残差の分散の平方根で割った値です。平均0、標準偏差1の正規分布に近似的に従います。 |
調整済み標準化残差(両側P値) | 正規分布を用いて調整済み標準化残差について両側検定を行ったときのP値 |
調整済み標準化残差(片側P値) | 正規分布を用いて調整済み標準化残差について片側検定を行ったときのP値 |
参考文献
集計表の作成と分析 その他の手法
- カテゴリカルデータの度数分布
- 適合度の検定 [度数分布表のカイ二乗検定]
- クロス集計表の作成と分析
- 独立性の検定 [クロス集計表のカイ二乗検定]
- フィッシャーの直接確率検定 [Fisher's exact probability Test]
- クロス集計表の残差分析
- リスク比とオッズ比
- コクラン=アーミテージ検定 [Cochran-Armitage Test]
- コクラン=マンテル=ヘンツェル検定 [Cochran-Mantel-Haenszel Test / 多層の2×2表の検定]
- 拡張マンテル検定 [Mantel-extension Test / 多層のk×2表の検定]
- マクネマー検定 [McNemar Test]
- グッドマン=クラスカルのガンマ [Goodman-Kruskal's gamma]
- グッドマン=クラスカルのタウ [Goodman-Kruskal's tau]
- カッパ係数
- コレスポンデンス分析
- 双対尺度法