ロジスティック回帰分析(5)─ロジスティック変換の逆変換
2017/08/14
カテゴリ:コラム「統計備忘録」
タグ:ロジスティック回帰分析, 統計備忘録
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ロジスティック回帰分析も、重回帰分析も、モデル式の右辺は同じです。最初のβ(ベータ)が定数項、その後に続くβが偏回帰係数、xが説明変数を表します。
重回帰分析の場合、このモデル式によって得られるのは目的変数Yを推定した値ですが、ロジスティック回帰分析の場合、得られるのはロジット(logit)とよばれる値です。このロジットについて「ロジスティック変換の逆変換」というものを行うと、その値は0から1の間になります。
逆変換の式は次のとおり。
expは指数変換の関数です。Excelを使えば指数変換を忘れてしまった人でも簡単に計算できます。
=exp(logit値)/(1+exp(logit値))
この逆変換で得られた値が何かというと、それはロジスティック回帰分析で目的変数に設定した事象が起こる確率(p)です。
ある事象が起こる確率(p)を起こらない確率(1-p)で割ったものをオッズとよびます。このオッズの対数をとったものをロジットとよび、この確率からロジットを求める過程をロジスティック変換とよびます。これとは逆に、ロジットから確率を求めることを「ロジスティック変換の逆変換」とよぶのです。ちなみにexp(logit値)がオッズになります。
次の式がロジスティック回帰分析のモデル式です。最初の式の左辺にロジットを加えています。
ロジット(logit)を横軸に確率(p)を縦軸にしてグラフに描くと次のとおりです。
ロジットが0(ゼロ)のとき確率(p)は0.5、つまり五分五分です。ロジットの0前後はpの変化が大きく、ロジットが0から離れていくに従ってpの変化は緩やかになります。ロジットがどんなに大きくともpが1を超えることはありませんし、ロジットをどんどん小さくしていくとpは0に近づきます。