数量化4類 : Quantification Method of the Fourth Type
概要
数量化4類は、順序尺度からなるデータを用いた多次元尺度法といえます。高次元データを低次元データにマッピングし、類似したものを見つけ出します。
多変量データと類似度行列データとに対応しています。分析の結果、座標値と散布図が求められます。
多変量データにおいては、1つでも変数の欠けているケースは分析実行時に自動的に除かれて計算されます。
分析例ファイルのダウンロード
数量化4類を使用する際のデータの形式やダイアログの指定方法、出力結果などを以下のExcelファイルからご確認いただけます。ダウンロードしてご参照ください。この分析例ファイルは、製品をご購入された場合にも自動でインストールされます。
なお、エクセル統計の無料体験版では、分析例ファイルのデータを実際に分析してみることができます。
処理対象データ
データベース形式
データサイズ範囲 | 処理対象データ | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
行数 | 列数 | 数値 | 文字列 | 空白 | ||
個体の布置 | データラベル | 3~1,000行 | 1列 | ○ | ○ | ○ |
分析に用いる変数 | 3~1,000行 | 2~100列 | ○ | 欠 | 欠 | |
変数の布置※1 | 分析に用いる変数 | 3~1,000行 | 3~100列 | ○ | 欠 | 欠 |
※1:変数の布置をプロットする場合は、データラベルの情報を分析には用いません
行列形式
データサイズ範囲 | 処理対象データ | 行数 | 列数 | 数値 | 文字列 | 空白 |
---|---|---|---|---|
2~300列 | 2~300列 | ○ | × | ×※2 |
※:○…処理可、×…処理不可、欠…欠損値として除く
※2:対角要素のみ空白は0として処理
行列形式概要
- 2行2列以上の正方行列であること
- 対角要素は空白または0であること
設定項目
Excelの[エクセル統計]タブから、[多変量解析]→[数量化Ⅳ類]を選択すると以下のダイアログが表示されます。入力データがデータベース形式の場合について説明します。
データベース形式ダイアログ 「変数」タブ
- データ入力範囲 必須
- データ入力範囲の変更を行う場合、[変更]ボタンを選択します。データ入力範囲のダイアログが表示されるので、データ入力範囲を設定して[戻る]ボタンを選択します。なお、データ入力範囲の先頭行は変数名となります。
- データラベル
- [変数リスト]から[データラベル]の変数を設定します。
- 分析に用いる変数 必須
- [変数リスト]から[分析に用いる変数]を設定します。
データベース形式ダイアログ 「オプション」タブ
- 距離計算 必須
- 距離計算として[ユークリッドの距離]、[平方ユークリッドの距離]、[基準化ユークリッド距離]、[マハラノビスの汎距離]のいずれかを選択します。
- 分析方向 必須
- 分析方向として[個体の布置]と[変数の布置]のいずれかを選択します。
- 計算する次元数 必須
- 計算する次元数を設定します。初期設定は「2」になっています。
行列形式ダイアログ
- データ入力範囲 必須
- 300 行 × 300 列までの正方行列を指定します。対角要素はすべて 0 または空白である必要があります。
- 先頭行をラベルとして使用
- 入力範囲の先頭行が変数ラベルの場合、このチェックボックスをオンにします。初期設定はオンになっています。
- 先頭列をラベルとして使用
- 入力範囲の先頭列が変数ラベルの場合、このチェックボックスをオンにします。初期設定はオンになっています。
- データ内容 必須
- データ内容として[非類似度]と[類似度]のいずれかを選択します。[非類似度]を選んだ場合はすべての要素に−1を乗じて分析を行います。
- 計算する次元数 必須
- 計算する次元数を設定します。初期設定は「2」になっています。
出力内容
データベース形式
ケースの要約 | 有効ケース、目的変数のみ不明、説明変数のみ不明、ともに不明、全体の「サンプルサイズ」と「割合」 |
---|---|
基本統計量 | 説明変数と目的変数の各変数の「サンプルサイズ」、「平均」、「不偏分散」、「標準偏差」、「最小値」、「最大値」 |
相関行列 | 目的変数の全体と各群における説明変数間の相関係数の行列 |
類似度行列(距離行列) | 対象間の距離行列 |
H行列 | 類似度行列を変換して得られる対称行列 |
固有値 | 各次元に対する固有値 |
固有ベクトル | 各次元に対応する固有ベクトル |
【グラフ】投影結果 | 次元1の固有ベクトルを横軸に、次元2の固有ベクトルを縦軸にとり対象をプロットした散布図 |
グラフ用データ | 投影結果のグラフ作成用のデータ |
行列形式
分析対象行列 | データ入力範囲に指定した分析対象行列 |
---|---|
H行列 | 類似度行列を変換して得られる対称行列 |
固有値 | 各次元に対する固有値 |
固有ベクトル | 各次元に対応する固有ベクトル |
【グラフ】投影結果 | 次元1の固有ベクトルを横軸に、次元2の固有ベクトルを縦軸にとり対象をプロットした散布図 |
グラフ用データ | 投影結果のグラフ作成用のデータ |
