クロンバックのアルファ : Cronbach's Coefficient Alpha
概要
性格検査の質問項目のように、ある特性に対して複数の質問項目を設け、回答の合計値(尺度得点)を特性尺度として用いることがあります。このようなときには、クロンバックのアルファ信頼性係数を求め、項目群を構成する個々の質問項目の内的整合性(個々の項目が互いに高い相関を持ち、同じ特性を測定しているということ)を評価します。
通常、アルファ係数が0.8以上になるよう項目群を構成します。アルファ係数が小さい場合は、次の補助的な分析により不適当な項目を特定することができます。
- 当該項目を除いたときのアルファ係数が全体のアルファ係数より大きい場合
- 当該項目を除いた項目の合計値と当該項目との相関係数が小さい場合
分析例ファイルのダウンロード
クロンバックのアルファを使用する際のデータの形式やダイアログの指定方法、出力結果などを以下のExcelファイルからご確認いただけます。ダウンロードしてご参照ください。この分析例ファイルは、製品をご購入された場合にも自動でインストールされます。
なお、エクセル統計の無料体験版では、分析例ファイルのデータを実際に分析してみることができます。
処理対象データ
データベース形式
データサイズ範囲 | 処理対象データ | |||
---|---|---|---|---|
行数 | 列数 | 数値 | 文字列 | 空白 |
3~60,000行 | 2~100列 | ○ | 欠 | 欠 |
※:○…処理可、×…処理不可、欠…欠損値として除く
設定項目
Excelの[エクセル統計]タブから、[多変量解析]→[クロンバックのアルファ]を選択すると以下のダイアログが表示されます。
「変数」タブ
- データ入力範囲 必須
- データ入力範囲の変更を行う場合、[変更]ボタンを選択します。データ入力範囲のダイアログが表示されるので、データ入力範囲を設定して [戻る] ボタンを選択します。なお、データ入力範囲の先頭行は変数名となります。
- 分析に用いる変数 必須
- [変数リスト]から分析に用いる変数を設定します。
「オプション」タブ
- 線形結合している変数を含めて分析する
- 線形結合している変数を含むデータにおいてもそのまま分析を行う場合、このチェックボックスをオンにします。初期設定はオンです。
出力内容
ケースの要約 | 有効ケース、不明ケース、全体の「サンプルサイズ」と「割合」 |
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基本統計量 | 各変数の「サンプルサイズ」、「平均」、「不偏分散」、「標準偏差」、「最小値」、「最大値」 |
相関行列 | 変数間の相関係数の行列 |
線形結合している変数 | 変数間で線形結合している変数のリスト |
Cronbach's alpha | クロンバックのアルファの値 |
各変数を削除した場合の評価 | 各変数を除いた残りの変数の「合計値の平均」、「合計値の不偏分散」、「Cronbach's alpha」、「合計値との相関係数」、「重相関係数の2乗」 |