プロビット回帰分析 : Probit Regression Analysis
概要
プロビット回帰分析は、ロジスティック回帰分析と同様、ある特性の反応確率を表す目的変数が説明変数の影響でどのように変化するかを分析する手法です。プロビット回帰分析は、毒性検査のデータを分析するのにしばしば用いられます。
ロジスティック回帰分析が目的変数をロジット変換するのに対し、プロビット回帰分析は目的変数をプロビット変換した値を回帰分析します。反応確率pのプロビットは、この式で表すように、標準正規分布の累積確率密度が反応確率pとなるようなzのことを指します。
反応確率pのプロビットzに対して以下のように回帰式を定義し、最尤法により各偏回帰係数を推定します。b0は定数項、b1, b2, …, bqは偏回帰係数、x1, x2, …, xqは説明変数を表します。
本製品では、目的変数に指定する変数として、反応確率と反応数のいずれにも対応しています。目的変数に反応数の変数を指定する場合には、例数の変数の指定も必要です。
分析例ファイルのダウンロード
プロビット回帰分析を使用する際のデータの形式やダイアログの指定方法、出力結果などを以下のExcelファイルからご確認いただけます。ダウンロードしてご参照ください。この分析例ファイルは、製品をご購入された場合にも自動でインストールされます。
なお、エクセル統計の無料体験版では、分析例ファイルのデータを実際に分析してみることができます。
処理対象データ
データベース形式
データサイズ範囲 | 処理対象データ | ||||
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行数 | 列数 | 数値 | 文字列 | 空白 | |
目的変数 | 3~60,000行 | 1列 | ○※2 | 欠 | 欠 |
説明変数 | 3~60,000行 | 1~100列 | ○ | 欠 | 欠 |
例数※1 | 3~60,000行 | 1列 | ○※2 | 欠 | 欠 |
※:○…処理可、×…処理不可、欠…欠損値として除く
※1:例数を入力しない場合、目的変数は0から1の間の値であること
※2:負の数の使用は不可
出力内容
ケースの要約 | 【目的変数が反応率の場合】有効ケース、反応率のみ不明、説明変数のみ不明、ともに不明、全体の「サンプルサイズ」と「割合」が出力されます。 【目的変数が反応数の場合】有効ケースとその合計、無効または不明ケースの「反応率」が出力されます。 |
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目的変数の要約※1 | 目的変数の各群の「サンプルサイズ」と「割合」 |
基本統計量※2 | 目的変数の全体(と各群※1)における各説明変数の「サンプルサイズ」、「平均」、「不偏分散」、「標準偏差」、「最小値」、「最大値」 |
相関行列※2 | 目的変数の全体(と各群※1)における各説明変数間の相関係数の行列 |
線形結合している変数 | 説明変数間で線形結合している変数のリスト |
回帰式の精度(決定係数) | 「Cox-Snell」、「Nagelkerke」、「McFadden」の決定係数の値 |
回帰式の有意性 | 説明変数がない場合とある場合の「-2対数尤度」と「AIC」、及び「尤度比検定」により回帰式全体について有意性を検定した結果 |
偏回帰係数の推定 | 各説明変数と定数項の「偏回帰係数」、「標準誤差」、「偏回帰係数の95%信頼区間」、「偏回帰係数の有意性検定」の結果 |
予測値※3 | 目的変数の「観測値」と回帰式から算出された「予測値」、及び「残差」 |
※1:[例数]に変数の指定がなく目的変数の値が0/1の場合に出力します。
※2:[例数]に変数が設定されている場合は出力されません。
※3:ダイアログで[予測値を出力する]にチェックを入れた場合に出力します。