多項ロジスティック回帰分析 : Polytomous Logistic Regression Analysis
概要
胃癌に罹患しているか否かといった2値型データの目的変数を扱う場合は二項ロジスティック回帰分析を行いますが、胃癌か食道癌か膵臓癌かといったような名義尺度で多群(3群以上)のデータの目的変数を扱う場合は多項ロジスティック回帰分析を行います。
目的変数のデータはカテゴリーコードでも文字列でも構いません。説明変数に3カテゴリー以上の質的変数がある場合は、「ダミー変数への変換」を用いるなどして0/1データに変換してから分析を行ってください。ただし、kカテゴリーの質的変数からダミー変数を生成した場合、分析にはその中のk-1個のダミー変数を利用してください。
分析例ファイルのダウンロード
多項ロジスティック回帰分析を使用する際のデータの形式やダイアログの指定方法、出力結果などを以下のExcelファイルからご確認いただけます。ダウンロードしてご参照ください。この分析例ファイルは、製品をご購入された場合にも自動でインストールされます。
なお、エクセル統計の無料体験版では、分析例ファイルのデータを実際に分析してみることができます。
処理対象データ
データベース形式
データサイズ範囲 | 処理対象データ | |||||
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行数 | 列数 | 判別群 | 数値 | 文字列 | 空白 | |
目的変数 | 3~60,000行 | 1列 | 2~10群 | ○ | ○ | 欠 |
説明変数 | 3~60,000行 | 1~100列 | - | ○ | 欠 | 欠 |
度数※1 | 3~60,000行 | 1列 | - | ○ | 欠 | 欠 |
※:○…処理可、×…処理不可、欠…欠損値として除く
※1:度数の和(データ件数の合計)が60,000 以下であること
出力内容
度数の要約 | 有効ケース、無効ケース、全体の「サンプルサイズ」と「割合」が出力されます。度数を設定した場合にのみ出力されます。 |
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ケースの要約 | 有効ケース、目的変数のみ不明、説明変数のみ不明、ともに不明、全体の「サンプルサイズ」と「割合」 |
目的変数の要約 | 目的変数の各群の「サンプルサイズ」と「割合」 |
基本統計量 | 目的変数の全体と各群における各説明変数の「サンプルサイズ」、「平均」、「不偏分散」、「標準偏差」、「最小値」、「最大値」 |
相関行列 | 目的変数の全体と各群における説明変数間の相関係数の行列 |
線形結合している変数 | 説明変数間で線形結合している変数のリスト |
回帰式の精度(決定係数) | 「Cox-Snell R2乗」、「Nagelkerke R2乗」、「McFadden R2乗」の決定係数の値 |
回帰式の有意性 | 説明変数がない場合とある場合の「-2対数尤度」、及び「尤度比検定」により回帰式全体について有意性を検定した結果 |
変数の有意性 | 回帰式から各説明変数を除いた場合(縮小モデル)と説明変数を加えた場合(最終モデル)の「-2対数尤度」、及び「尤度比検定」により各説明変数の有意性を検定した結果 |
偏回帰係数の推定 | 各説明変数の「偏回帰係数」、「標準誤差」、「偏回帰係数の95%信頼区間」、「オッズ比」、「オッズ比の95%信頼区間」、「偏回帰係数の有意性検定」の結果 |
分類表 | 表側を目的変数の観測値、表頭を目的変数の「予測値」としたクロス集計表。各目的変数についての「判別的中率」も出力されます。 |
予測値※ | 目的変数の「観測値」と回帰式から算出された「予測分類」、及び各群の「予測値」 |
※:ダイアログで[予測値を出力する]にチェックを入れた場合に出力します。
参考文献
- 内田 治, "SPSSによるロジスティック回帰分析", Ohmsha, 2011.
- 丹後 俊郎, 高木 晴良, 山岡 和枝, "ロジスティック回帰分析―SASを利用した統計解析の実際", 朝倉書店, 1996.
- SAS/STAT(R) 9.22 User's Guide.