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  • Step1. 基礎編
  • 24. 平均値の検定

24-1. 母平均の検定(両側t検定)

検定は次の流れに従って行います。

  1. 仮説を立てる
  2. 有意水準を設定する
  3. 適切な検定統計量を決める
  4. 棄却ルールを決める
  5. 検定統計量を元に結論を出す

例題:

ある工場では部品Aを製造しています。製造された部品Aの中からランダムに10個を選び長さを測定したところ、平均値は7.2cm、不偏分散は0.04cm^2でした。部品Aの長さが正規分布に従うとき、この工場で製造している部品Aの長さは7.0cmといえるでしょうか。

  1. 仮説を立てる
  2. 帰無仮説H_{0}は「部品Aの長さは7.0cmである」とします。したがって、対立仮説H_{1}は「部品Aの長さは7.0cmではない」となります。

  3. 有意水準を設定する
  4. ここでは有意水準\alpha=0.05とします。

  5. 適切な検定統計量を決める
  6. この実験では母分散が分からないので、不偏分散s^{2}を用いる統計量tを使います。統計量tは次の式から求められます。\overline{x}はデータの平均、\mu母平均nサンプルサイズを表します。

     \displaystyle t=\frac{\overline{x}-\mu}{\sqrt{\frac{s^{2}}{n}}}
  7. 棄却ルールを決める
  8. この検定で使用する分布は自由度「10-1=9」の「t分布」です。また、この工場で製造する部品Aの長さが7.0cmであるかどうかを調べることが目的なので、両側検定を行います。統計数値表からt_{0.025}(9)の値を読み取ると「2.262」となっています。

  9. 検定統計量を元に結論を出す
  10.  \displaystyle t=\frac{7.2-7.0}{\sqrt{\frac{0.04}{10}}}=\frac{7.2-7.0}{\frac{0.2}{\sqrt{10}}} \fallingdotseq 3.16

    次の図は、自由度9のt分布を表したものです。t=3.16は、図の矢印の部分に該当します。矢印は棄却域に入っていることから、「有意水準5%において、帰無仮説を棄却し、対立仮説を採択する」という結果になります。つまり、「この工場で製造している部品Aの長さは7.0cmではない」と結論づけられます。

図1

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24. 平均値の検定

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