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多元配置分散分析 : Multi-way Analysis of Variance

概要

データが表形式ではなく列ごとに整理されたデータである場合、この手法を用いて分散分析を行います。目的変数や因子の水準情報はそれぞれ1列にまとめられている必要があります。因子がすべて2水準であれば7元配置まで、すべて3水準であれば6元配置まで分析できます。

多重比較

各因子について以下の手法により多重比較を行うことが可能です。それぞれの手法の特徴については、「多重比較」をご覧ください。

全ての対比較を行う手法対照群との対比較を行う手法
  • Fisherの最小有意差法(Fisher's LSD)
  • Bonferroni(ボンフェローニ)
  • Sidak(シダック)
  • Holm(ホルム)
  • Scheffe(シェッフェ)
  • Tukey(テューキー)
  • Tukey-Kramer(テューキー=クレーマー)
  • Dunnett(ダネット)
  • Williams(ウィリアムズ)

単純主効果の検定

分散分析で特定の2因子の交互作用が有意であった場合の下位検定として単純主効果の検定を行うことができます。単純主効果とは、ある2因子について、一方の因子の各水準における他方の因子の主効果のことです。さらに単純主効果の多重比較を行うことも可能で、フィッシャーのLSD、シェッフェ(Scheffe)、ボンフェローニ(Bonferroni)、テューキー(Tukey)の4手法を利用できます。

分析例ファイルのダウンロード

多元配置分散分析を使用する際のデータの形式やダイアログの指定方法、出力結果などを以下のExcelファイルからご確認いただけます。ダウンロードしてご参照ください。この分析例ファイルは、製品をご購入された場合にも自動でインストールされます。

 ex_05_ANOVA.xlsx

なお、エクセル統計の無料体験版では、分析例ファイルのデータを実際に分析してみることができます。

 無料体験版ダウンロード

処理対象データ

データベース形式

データサイズ範囲 処理対象データ
数値文字列空白
固定因子 1~7因子※1, 各因子2~250水準(Lk
目的変数 1変数

※:…処理可、×…処理不可、…欠損値として除く

※1:因子がすべて2水準であれば7因子まで、すべて3水準であれば6因子まで処理可

データベース概要

多元配置分散分析(データベース形式)

  • 2行以上のデータがあること
  • 各因子は2水準以上であること
  • 目的変数には、ラベルより下に数値が含まれていること
  • 目的変数の分散が0ではないこと
  • Π(Lk+1)≦5,000 を満たすこと
  • nΠ(Lk+1)≦1,600万 を満たすこと
  • ※ n…データ総数, Π…積記号, Lk…水準数

出力内容

基本統計量 各水準の「サンプルサイズ」、「平均値」、「標準偏差(SD)」、「平均値-SD」、「平均値+SD」、「標準誤差(SE)」、「平均値-SE」、「平均値+SE」
【グラフ】各水準の平均値 水準ごとに「平均値+SD」、「平均値+SE」、「平均値」、「平均値-SE」、「平均値-SD」を高低線で結んだグラフが出力されます。高低線の間で重なりが少ないほど水準間に差があることを示します。
等分散性の検定 帰無仮説:「被験者間因子の全ての水準で母分散は等しい」について「バートレット検定」と「ルビーン検定」を行った結果が出力されます。ただし、「バートレット検定」は固定因子が1つの場合にのみ出力されます。
分散分析表 モデルタブにおいて指定したモデルの偏差平方和、およびF検定の結果
等分散を仮定しない検定 等分散性を仮定しない場合に、「Welch」の方法と「Brown-Forsythe」の方法を用いて検定を行った結果が出力されます。固定因子が1つの場合にのみ出力されます。
多重比較検定 ダイアログでチェックを入れた多重比較法によって、指定した因子の水準間の平均値差を検定した結果
最小二乗平均 LSMEAN※1 各主効果および交互作用の各水準の「最小二乗平均値」、「標準誤差」、「95%信頼区間」。データの繰り返しに不揃いがある場合にそれを調整した標準誤差と95%信頼区間が出力されます。
各因子内の水準間の平均※1 2因子の組み合わせによる平均値とサンプルサイズが出力されます。
【グラフ】各水準の平均値※1 2因子の組み合わせによる各水準の平均値の折れ線グラフ
単純主効果の検定※1 2因子の組み合わせによる単純主効果の検定の結果
多重比較検定※1 単純主効果における多重比較の結果

※1:固定因子が2つ以上の場合で、[単純主効果の検定]にチェックを入れた場合にのみ出力されます。

各水準の平均値 各水準の平均値(2因子)

出力内容とモデル

上記の各出力内容は、指定されたモデルによっては出力できない場合があります。こちらの表は本製品の対応状況となります。

基本統計量 すべてのモデルで出力します。
各水準の平均値グラフ すべてのモデルで出力します。
等分散性の検定(バートレット) 分散のない水準組み合わせがある場合は出力できません。
等分散性の検定(ルビーン) すべての水準組み合わせでデータの繰り返しがない場合は出力できません。

Type1またはType2平方和を指定した場合

分散分析表 すべてのモデルで出力します。
多重比較検定 すべてのモデルで出力します。
最小二乗平均 LSMEAN データのない水準組み合わせがある場合は出力できません。
単純主効果の検定 データのない水準組み合わせがある場合は出力できません。

Type3平方和を指定した場合

  • 分散分析表
  • 多重比較検定
  • 最小二乗平均 LSMEAN
  • 単純主効果の検定
  • モデル内の要因が各次元でそろっていない場合は出力できません。(例:A, B, C, AB, AC, ABC)
  • モデル内で最も高次の要因がn次のとき、1~(n-1)次の要因がそろっていない場合は出力できません。(例:A, B, C, ABC)
  • データのない水準組み合わせがある場合は出力できません。

参考文献

エクセル統計を使えば、Excelのデータをそのまま簡単に統計解析できます。


分散分析・多重比較 その他の手法

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