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  • Step1. 基礎編
  • 13. いろいろな確率分布1

13-2. 二項分布の期待値と分散


確率変数X二項分布B(n, p)に従う時、X期待値E(X)分散V(X)は以下のようになります。

 E(X)=np
 V(X)=np(1-p)

例えばコインを10回投げる時、表が出る回数Xの期待値E(X)と分散V(X)を求めてみます。コインを何回か投げたときに表が出る回数は二項分布に従います。試行回数はn=10、表が出る確率はp=0.5であることから、次のように計算できます。

 E(X)=10 \times 0.5=5
 V(X)=10 \times 0.5 \times (1-0.5)=2.5

例題:

あるお菓子には当たりくじがついており、1,000個中120個の確率で当たりがついているということが分かっています。このお菓子の中からランダムに10個購入したとき、10個の中に当たりが0個、1個、2個含まれる確率はそれぞれいくらでしょうか。また、当たりの個数の期待値と分散はいくらでしょうか。

ただし、ここではお菓子は無限にあり、当たりの確率は一定である(1,000個中120個の確率で当たりが出る)と仮定します。

図1

この問題では「当たり」か「はずれ」の2種類の結果しか無く、当たりの確率が一定であることから、二項分布を使って計算できます。購入するお菓子は10個なので試行回数n=10となります。1,000個中120個の確率で当たりが含まれているということが分かっているので、当たりの確率は\displaystyle p=\frac{120}{1000}=0.12となります。

当たりが出る個数をXとおくと、当たりがk個含まれる確率は次の式を用いて算出できます。

     \begin{eqnarray*} P(X=k)= {}_{n} \mathrm{C}_{k} p^{k} (1-p)^{n-k} & (k=0,1,2,\cdots,n) \\ \end{eqnarray*}

  • X=0となる確率:
  •  P(X=0)={}_{10} \mathrm{C}_{0} \times 0.12^{0} \times (1-0.12)^{10-0}=0.279
  • X=1となる確率:
  •  P(X=1)={}_{10} \mathrm{C}_{1} \times 0.12^{1} \times (1-0.12)^{10-1}=0.380
  • X=2となる確率:
  •  P(X=2)={}_{10} \mathrm{C}_{2} \times 0.12^{2} \times (1-0.12)^{10-2}=0.233

    当たりが出る個数の期待値はE(X)=npを用いて、E(X)=10 \times 0.12=1.2個と算出されます。したがって、このお菓子は10個買えば1個は当たりが出ることが期待できます。

    当たりが出る個数の分散はV(X)=np(1-p)を用いて、V(X)=10 \times 0.12 \times (1-0.12)=1.056となります。


13. いろいろな確率分布1

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