級内相関係数 : Intraclass Correlation Coefficients:ICC
概要
級内相関係数は、評価者が対象に対する評価を行った際、評価者内もしくは評価者間における評価の一致度や安定性(=信頼性)を示すための指標です。評価者内信頼性は、同一評価者による2回以上の繰り返し評価データの一致度です。また、評価者間信頼性は、2人以上の評価者が同じ対象を評価したときの一致度です。級内相関係数は、0に近づくほど信頼性は低く、絶対値が1に近いほど信頼性は高くなります。負の相関がある場合にはマイナスの値となります。
分析例ファイルのダウンロード
級内相関係数を使用する際のデータの形式やダイアログの指定方法、出力結果などを以下のExcelファイルからご確認いただけます。ダウンロードしてご参照ください。この分析例ファイルは、製品をご購入された場合にも自動でインストールされます。
なお、エクセル統計の無料体験版では、分析例ファイルのデータを実際に分析してみることができます。
処理対象データ
「表形式」のデータを計算することができます。
- 先頭行と先頭列をラベルとして扱います。
- 行に1つ以上の欠損値が含まれる場合、事前にデータ全体から欠損値を含む行を取り除いてから計算を行います。
先頭行と先頭列のラベルを除いたセル範囲について、行数と列数の上限、扱えるデータの種類は次の通りです。
データサイズ
- 行数3~60,000行
- 列数2~100列
データ内容
- 数値○:処理可
- 文字列欠損値として除く
- 空白欠損値として除く
出力内容
ケースの要約 | 有効ケース、不明ケース、全体の「サンプルサイズ」と「割合」 |
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級内相関係数 | 単一の信頼性、平均の信頼性の場合の「級内相関係数」、「95%信頼区間」、「F検定」の結果がそれぞれ出力されます。単一の信頼性は、評価者が複数の対象に対して複数回評価を行ったときの評価のばらつきから算出した信頼性を表します。平均の信頼性は、評価者が複数の対象に対して複数回評価を行ったときの平均値から算出した信頼性を表します。 |
分散分析表 | 全体の偏差平方和を被験者間因子と被験者内因子(一元配置変量の場合)、もしくは被験者間因子と評価者間因子と残差(二元配置変量・混合の場合)のそれぞれの平方和に分解した分散分析表 |
参考文献
- Bartko, John J. (1976). On various intraclass correlation reliability coefficients. Psychological Bulletin, Vol 83(5), 762-765.
- Joseph L. Fleiss, “臨床試験のデザインと解析”, 株式会社アーム, 2004.
- Shrout, Patrick E.; Fleiss, Joseph L. (1979). Intraclass correlations: Uses in assessing rater reliability. Psychological Bulletin, Vol 86(2), 420-428.
- SKETCH研究会統計分科会, “臨床データの信頼性と妥当性”, サイエンティスト社, 2005.
- 対馬 栄輝, 石田 水里, “医療系データのとり方・まとめ方”, 東京図書株式会社, 2013.