ケンドールの順位相関行列 : Kendall's Rank Correlation Coefficient Matrix
概要
すべての変数の組み合わせについてケンドールの順位相関係数を計算し、順位相関行列を出力します。
対になったXとYにn対のデータがあるとき、XとYのケンドールの順位相関係数を求めるためには、2対ずつ全ての組み合わせを取り出し、Xi > XjかつYi > Yjという同方向のケース数Pと、Xi > XjかつYi < Yjという逆方向のケース数Qを計算します。また、Xi = Xjの数をTx、Yi = Yjの数をTyとします。このとき、ケンドールの相関係数τ(タウ)は次の式で求めることができます。

全ての対が同方向の場合は1、全ての対が逆方向の場合は-1となります。
なお、正規近似を利用した順位相関係数の有意性検定も行いますが、前提としてサンプルサイズが21以上必要です。
分析例ファイルのダウンロード
ケンドールの順位相関行列を使用する際のデータの形式やダイアログの指定方法、出力結果などを以下のExcelファイルからご確認いただけます。ダウンロードしてご参照ください。この分析例ファイルは、製品をご購入された場合にも自動でインストールされます。
なお、エクセル統計の無料体験版では、分析例ファイルのデータを実際に分析してみることができます。
処理対象データ
「データベース形式」のデータを計算することができます。
- 先頭行を変数のラベルとして扱います。
- 2行目以降を各変数の観測値として計算に用います。
- 変数のペアごとに欠損値を除いて計算を行うか、事前にデータ全体から欠損値を含むケースを除いてから計算を行うかをダイアログ上で選択することができます。
先頭行のラベルを除いたセル範囲について、行数と列数の上限、扱えるデータの種類は次の通りです。
データサイズ
- 行数3~60,000行
- 列数2~100列
データ内容
- 数値○:処理可
- 文字列欠損値として除く
- 空白欠損値として除く
設定項目
Excelの[エクセル統計]タブから、[基本統計・相関]→[ケンドールの順位相関行列]を選択すると以下のダイアログが表示されます。
- データ入力範囲 必須
- データ入力範囲の変更を行う場合、[変更]ボタンを選択します。データ入力範囲のダイアログが表示されるので、データ入力範囲を設定して[戻る]ボタンを選択します。なお、データ入力範囲の先頭行は変数名となります。
- 分析に用いる変数 必須
- [変数リスト]から分析に用いる変数を設定します。
- 欠損値を含むケースの扱い 必須
- [ペアワイズで計算から除く]と[ケースワイズで計算から除く]のいずれかを選択します。初期設定は[ペアワイズで計算から除く]です。
例えば、A、B、Cの3つの変数があり、あるケースが変数Bだけに欠損値があるとし基本統計・相関70ます。ペアワイズで除く場合、変数AとCの組み合わせでは無効なケースはありませんが、AとB、BとCの組み合わせでは無効ケースとなります。
これに対しケースワイズで除く場合は、1つでも欠損値を含むケースはすべての変数の組み合わせにおいて無効ケースとなります。 - 相関行列をヒートマップで出力する
- ケンドールの順位相関行列のヒートマップを出力する場合、このチェックボックスをオンにします。
出力内容
ケンドールの順位相関行列(Kendall's tau-b) | ケンドールの順位相関係数タウbの行列 |
---|---|
順位相関係数の検定 | 各順位相関係数について無相関の検定を行った結果として、上三角部分にはP値、下三角部分にはP値が5%未満なら"*"、1%未満なら"**"が出力されます。 |
サンプルサイズ | 各変数組合せのサンプルサイズ |