分散共分散行列 : Variance-Covariance Matrix
概要
各変数の分散とすべての変数の組み合わせについての共分散を計算して、分散共分散行列が出力されます。2組のデータにおいて、それぞれの平均の差の積を算出し、その平均値をとったものが共分散です。
分析例ファイルのダウンロード
分散共分散行列を使用する際のデータの形式やダイアログの指定方法、出力結果などを以下のExcelファイルからご確認いただけます。ダウンロードしてご参照ください。この分析例ファイルは、製品をご購入された場合にも自動でインストールされます。
なお、エクセル統計の無料体験版では、分析例ファイルのデータを実際に分析してみることができます。
処理対象データ
「データベース形式」のデータを計算することができます。
- 先頭行を変数のラベルとして扱います。
- 2行目以降を各変数の観測値として計算に用います。
- 変数のペアごとに欠損値を除いて計算を行うか、事前にデータ全体から欠損値を含むケースを除いてから計算を行うかをダイアログ上で選択することができます。
先頭行のラベルを除いたセル範囲について、行数と列数の上限、扱えるデータの種類は次の通りです。
データサイズ
- 行数3~60,000行
- 列数2~100列列
データ内容
- 数値○:処理可
- 文字列欠損値として除く
- 空白欠損値として除く
設定項目
Excelの[エクセル統計]タブから、[基本統計・相関]→[分散共分散行列]を選択すると以下のダイアログが表示されます。
- データ入力範囲 必須
- データ入力範囲の変更を行う場合、[変更]ボタンを選択します。データ入力範囲のダイアログが表示されるので、データ入力範囲を設定して[戻る]ボタンを選択します。なお、データ入力範囲の先頭行は変数名となります。
- 分析に用いる変数 必須
- [変数リスト]から分析に用いる変数を設定します。
- 分散共分散の分母 必須
- 分散・共分散の分母に[n]と[n-1]のどちらを用いて計算するかを選択します。
- 欠損値を含むケースの扱い 必須
- [ペアワイズで計算から除く]と[ケースワイズで計算から除く]のいずれかを選択します。初期設定は[ペアワイズで計算から除く]です。
例えば、A、B、Cの3つの変数があり、あるケースが変数Bだけに欠損値があるとします。ペアワイズで除く場合、変数AとCの組み合わせでは無効なケースはありませんが、AとB、BとCの組み合わせでは無効ケースとなります。
これに対しケースワイズで除く場合は、1つでも欠損値を含むケースはすべての変数の組み合わせにおいて無効ケースとなります。
出力内容
分散共分散行列 | 各変数の分散と各変数間の共分散の行列 |
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サンプルサイズ | 各変数組合せのサンプルサイズ |
分母 | 分散と共分散の計算に用いた分母として、分散共分散の分母で選択した「n」もしくは「n-1」が出力されます。 |