母平均の差の検定(対応あり) : Hypothesis Testing for the Paired t Test
概要
母集団からサンプリングした対応のあるデータについて、対応するデータ間の差( \(d_i\) ){i: 1,2,…,n}とその平均値( \(\overline{d}\) )をもとに、「差の母平均 \(\mu_d\) は0である」という帰無仮説を検定します。「 \(\mu_d \neq 0\) 」を対立仮説に設定する場合、両側P値より有意性を判定します。「 \(\mu_d < 0\) 」あるいは「 \(\mu_d > 0\) 」を対立仮説に設定する場合、片側P値より有意性を判定します。
分析例ファイルのダウンロード
母平均の差の検定(対応あり)を使用する際のデータの形式やダイアログの指定方法、出力結果などを以下のExcelファイルからご確認いただけます。ダウンロードしてご参照ください。この分析例ファイルは、製品をご購入された場合にも自動でインストールされます。
なお、エクセル統計の無料体験版では、分析例ファイルのデータを実際に分析してみることができます。
処理対象データ
「データベース形式」のデータを計算することができます。
- 先頭行を変数のラベルとして扱います。
- 2行目以降を各変数の観測値として計算に用います。
- 検定を行う2つの変数において、片方または両方の変数に欠損値のある行(ケース)を2つの変数から除いて計算を行います。
先頭行のラベルを除いたセル範囲について、行数と列数の上限、扱えるデータの種類は次の通りです。
データサイズ
- 行数2~60,000行
- 列数1~255列
データ内容
- 数値○:処理可
- 文字列欠損値として除く
- 空白欠損値として除く
出力内容
変数1と変数2に複数の変数を指定した場合、すべての変数の組み合わせについて検定を行います。
基本統計量 | 各変数の「有効サンプルサイズ」、「平均※1」、「不偏分散※1」、「標準偏差※1」、「標準誤差※1」 |
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対の差と効果量※1 | 対の差の「平均」、「標準偏差」、「効果量(Cohen's d)」、「効果量(Hedges' g)」、「効果量(Cohen's d':対の差の平均/対の差の標準偏差)」 |
ダイアログにて[確率分布]を[t分布]とした場合※1
差の平均の95%信頼区間 | 2標本の差の平均の95%信頼区間の「下限値」と「上限値」 |
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差の平均の検定 | 帰無仮説:「2標本の差の母平均は0である」について、t分布に従う統計量を用いて検定した結果 |
検出力 | 差の平均の検定の検出力が出力されます。計算に用いている効果量はHedges' gです。 |
ダイアログにて[確率分布]を[正規分布]とした場合※1
差の平均の95%信頼区間 | 2標本の差の平均の95%信頼区間の「下限値」と「上限値」 |
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差の平均の検定 | 帰無仮説:「2標本の差の母平均は0である」について、正規分布に従う統計量を用いて検定した結果 |
検出力 | 差の平均の検定の検出力が出力されます。計算に用いている効果量はHedges’ gです。 |
ノンパラメトリック検定
ケースの要約※2※3 | 各変数を比較したときの「d = 0の対」、「d < 0の対」、「d > 0の対」となる対の数、及び「順位和※2」が出力されます。 |
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符号検定※2 二項検定 | 二項検定の結果が出力されます。 |
符号検定※2 正規化検定 | 連続性の補正なしの場合とありの場合における正規化検定の結果が出力されます。 |
ウィルコクソンの符号順位和検定※3 統計数値表による検定 | 検定統計量(順位和が小さいほうの値)と両側検定の結果が出力されます。検定統計量が統計数値表の棄却限界値以下の場合は「5%有意」もしくは「1%有意」を表示します。それ以外の場合やサンプルサイズが50対を超える場合は※印とともに注釈が出力されます。 |
ウィルコクソンの符号順位和検定※3 正規化検定 | 「統計量:z」と「両側P値」、及びP値が0.05未満なら"*"、0.01未満なら"**"が出力されます。 |
※1:[母平均の差の検定(対応あり)]をチェックした場合に出力されます。
※2:[符号検定]をチェックした場合に出力されます。
※3:[ウィルコクソンの符号順位和検定]をチェックした場合に出力されます。