- Step1. 基礎編
- 11. 確率変数と確率分布
11-2. 離散型確率分布と確率質量関数
確率変数には、「離散型」と「連続型」の2種類があります。この章では離散型確率変数について説明します。
■離散型確率変数
離散型変数はとびとびの値をとる変数のことで、隣り合う数字の間には値が存在しないものを指します。離散型変数には、さいころの出る目や人数などが含まれます。例えば、さいころの3の目の次は4であり、その間に3.2や3.5といった数値は存在しません。
![図1](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/uploads/2016/07/795316b92fc766b0181f6fef074f03fa-13.png)
次の表で示すように、離散型変数の取りうる値(
)それぞれに対応する確率
が存在する場合、この変数を「離散型確率変数」といいます。
X | ![]() | ![]() | ・・・ | ![]() | ![]() |
![]() | ![]() | ![]() | ・・・ | ![]() | ![]() |
■離散型確率分布
確率変数が離散型である場合の確率分布を「離散型確率分布」、あるいは「離散型分布」といいます。次の図は離散型確率分布のイメージを表したものです。横軸は確率変数を、縦軸は
の確率である
を表します。
![図2](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/uploads/2016/07/795316b92fc766b0181f6fef074f03fa-15.png)
■確率質量関数
離散型確率変数がある値
をとる確率を関数
とした場合、
は「確率質量関数」と呼ばれます。
を使うと、
(ある値
)となる確率は次のように表すことができます。
![Rendered by QuickLaTeX.com f(x)=P(X=x)](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-59818fbf273749b985f8041b8b02c89b_l3.png)
確率の約束の1つとして、「全事象が起こる確率は1である」ことは9‐1章で既に学びました。このことは、離散型確率分布では次のように表すことができます。
![Rendered by QuickLaTeX.com \displaystyle \sum_{i=1}^n P(X=x_i)= P(X=x_1) + P(X=x_2) + \cdots +P(X=x_n)=1](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-6183966edd740124d2396a6bd302c2f3_l3.png)
![図3](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/uploads/2016/07/2b530e80c7d0de90885e285c5d798063-14.png)
さいころを1回投げる場合を例にとります。確率変数をさいころの出る目を
とすると、すべての
について
であることから、これらの確率の総和は次のように「1」と計算できます。
![Rendered by QuickLaTeX.com \vspace{3mm}\displaystyle \sum_{i=1}^6 P(X=x_i) \\ \vspace{3mm}= P(X=1) + P(X=2) + P(X=3)+P(X=4)+P(X=5)+P(X=6) \\ \vspace{3mm} = \displaystyle \frac{1}{6} +\displaystyle \frac{1}{6} +\displaystyle \frac{1}{6} +\displaystyle \frac{1}{6} +\displaystyle \frac{1}{6} +\displaystyle \frac{1}{6} \\ \vspace{3mm} = 1](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-67477c1bdbb2c5a8dbcb684aaa374485_l3.png)
![図4](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/uploads/2016/07/3a4f695a458cb0ac0aceaa2eb13ac2dd-4.png)