- Step1. 基礎編
- 9. 確率と期待値
9-1. 確率
「確率」は、物事の「起こりやすさ」を定量的に表す指標です。「起こりやすさ」の指標は「絶対に起こらない」から「絶対に起こる」の間にあります。確率では、「絶対に起こらない」ことには「0」が、「絶対に起こる」ことには「1」がそれぞれ対応します。
例えば日常生活でよく目にする確率に、「降水確率」や「宝くじの当選確率」があります。
- 今日の降水確率:0%、30%、80%など
- 宝くじで1等が当たる確率:0.001%、0.0001%など
この確率を元に、「雨が振りそうだから傘を持って行ったほうがいい」や「当選する確率が低そうだからこの宝くじを買うのはやめておこう」といった将来を予測して、行動や意思を決めることもできます。
確率はPを用いて表します。このPは確率を表す英単語「Probability」の頭文字です。ある事象について、その事象が起こる確率は次のように表します。
P(ある事象):「ある事象」が起こる「確率」
例えば、さいころを1回投げる場合において、事象Aを「偶数の目が出る」事象とします。このとき、「」は「偶数の目が出る確率」を表します。
確率には次の3つの約束ごと(公理)があります。
1. どのような事象についての確率も、0以上1以下となる
確率は、負の数になったり1を超えたりすることは絶対にありません。
2. 「全事象」を「」と表すと、全事象の起こる確率は1となる
例えば、さいころを1回投げるとき、全事象は「出る目が1, 2, 3, 4, 5, 6となる」事象です。これらの事象のうち、いずれかの目が出る確率は1となります。
3. 互いに排反な事象の和集合の確率は、それぞれの事象の確率の和となる
例えば、1つのさいころを1回投げるとき、1の目と2の目が同時に出ることはないため、これらの事象は排反事象です。したがってその和事象である「1または2の目が出る」確率は、次のように計算できます。
P(1または2が出る)=P(1が出る)+P(2が出る)
【コラム】事象Aの確率「」の書き方
事象Aの確率はと書くと説明しましたが、書籍によってはと書かれていることがあります。これはと同じく、事象Aの確率を表しています。
■おすすめ書籍
統計を学び始めた時に読みました。統計を学ぶ取っ掛かりにはとても良かったです。この本を読んでおくと、このあとに少し難しい本を読んでもついていけるかと思います。
9. 確率と期待値
事前に読むと理解が深まる- 学習内容が難しかった方に -
- 8. さまざまな事象
8-1. 事象とは
- 8. さまざまな事象
8-3. 余事象・空事象・排反事象