BellCurve 統計WEB

  • Step1. 基礎編
  • 9. 確率と期待値

9-4. 確率の計算(余事象)

例題:

白いボール3個と赤いボール7個があります。この中から無作為にボールを3つ取り出すとき、赤いボールが少なくとも1つ取り出される確率はいくらでしょうか。

図1

■場合分けする場合

赤いボールが「少なくとも1つ」出てくる場合は、このままだと何通りあるか計算するのは難しいので、次のようにいくつかの場合に分けて考えます。

  1. 赤いボールが1つ取り出される
  2. 赤いボールが2つ取り出される
  3. 赤いボールが3つ取り出される

これに白いボールが取り出される数を組み合わせると次のようになります。

  1. 白いボールが2個取り出され、赤いボールが1つ取り出される
  2. 白いボールが1個取り出され、赤いボールが2つ取り出される
  3. 赤いボールが3つ取り出される


  1. 「白いボールが2個取り出され、赤いボールが1つ取り出される」について
    • 3つある白いボールから2つ取り出される→{}_3 \mathrm{C}_2通り
    • 7つある赤いボールから1つ取り出される→{}_7 \mathrm{C}_1通り

    となることから、{}_3 \mathrm{C}_2 \times {}_7 \mathrm{C}_1通りです。

  2. 「白いボールが1個取り出され、赤いボールが2つ取り出される」について
  3. 1と同様に考えればよいので{}_3 \mathrm{C}_1 \times {}_7 \mathrm{C}_2通りとなります。

  4. 「赤いボールが3つ取り出される」について
  5. {}_7 \mathrm{C}_3通りとなります。

    1, 2, 3の結果をまとめると、

    となることから、

      ={}_3 \mathrm{C}_2 \times {}_7 \mathrm{C}_1 + {}_3 \mathrm{C}_1 \times {}_7 \mathrm{C}_2 + {}_7 \mathrm{C}_3 =21+63+35=119

    と計算できます。よって、求める確率は\displaystyle \frac{119}{{}_{10} \mathrm{C}_3} = \displaystyle \frac{119}{120}となります。

■余事象を用いる場合

「少なくとも◯個~」等と表される場合は、余事象を考えると計算が簡単になることがあります。「赤いボールが少なくとも1つ取り出される」事象の余事象は、「赤いボールが1つも取り出されない」=「白いボールが3つ取り出される」です。これは{}_3 \mathrm{C}_3=1通りしかありません。

図2

事象と余事象の関係から、ある事象をA、その余事象をA^{c}、全事象を\Omegaとすると

 A+A^c=\Omega

が成り立つので、赤いボールが少なくとも1つ取り出される事象は、

 120-1=119

通りです。以上の事から、求める確率は\displaystyle \frac{119}{{}_{10} \mathrm{C}_3} = \displaystyle \frac{119}{120}となります。余事象の確率P(A^{c})は、ある事象Aの確率P(A)を用いて次のように求められます。

 P(A) + P(A^c)=1 \leftrightarrow P(A^c) =1-P(A)

9. 確率と期待値

事前に読むと理解が深まる- 学習内容が難しかった方に -


統計学やデータ分析を学ぶなら、大人のための統計教室 和(なごみ) [業務提携]


【BellCurve監修】統計検定®2級対策に最適な模擬問題集1~3を各500円(税込)にて販売中!

Kindleストアで配信中

統計検定®2級 模擬問題集1

500円(税込)

統計検定®2級 模擬問題集2

500円(税込)

統計検定®2級 模擬問題集3

500円(税込)