- Step1. 基礎編
- 9. 確率と期待値
9-4. 確率の計算(余事象)
例題:
白いボール3個と赤いボール7個があります。この中から無作為にボールを3つ取り出すとき、赤いボールが少なくとも1つ取り出される確率はいくらでしょうか。
![図1](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/uploads/2016/07/795316b92fc766b0181f6fef074f03fa-3.png)
■場合分けする場合
赤いボールが「少なくとも1つ」出てくる場合は、このままだと何通りあるか計算するのは難しいので、次のようにいくつかの場合に分けて考えます。
- 赤いボールが1つ取り出される
- 赤いボールが2つ取り出される
- 赤いボールが3つ取り出される
これに白いボールが取り出される数を組み合わせると次のようになります。
- 白いボールが2個取り出され、赤いボールが1つ取り出される
- 白いボールが1個取り出され、赤いボールが2つ取り出される
- 赤いボールが3つ取り出される
- 「白いボールが2個取り出され、赤いボールが1つ取り出される」について
- 3つある白いボールから2つ取り出される→
通り
- 7つある赤いボールから1つ取り出される→
通り
- 「白いボールが1個取り出され、赤いボールが2つ取り出される」について
- 「赤いボールが3つ取り出される」について
となることから、通りです。
1と同様に考えればよいので通りとなります。
通りとなります。
1, 2, 3の結果をまとめると、
となることから、
![Rendered by QuickLaTeX.com ={}_3 \mathrm{C}_2 \times {}_7 \mathrm{C}_1 + {}_3 \mathrm{C}_1 \times {}_7 \mathrm{C}_2 + {}_7 \mathrm{C}_3 =21+63+35=119](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-07d8aa6ea1d5f887bf99cbc50fa10a8a_l3.png)
と計算できます。よって、求める確率はとなります。
■余事象を用いる場合
「少なくとも◯個~」等と表される場合は、余事象を考えると計算が簡単になることがあります。「赤いボールが少なくとも1つ取り出される」事象の余事象は、「赤いボールが1つも取り出されない」=「白いボールが3つ取り出される」です。これは通りしかありません。
事象と余事象の関係から、ある事象をA、その余事象を、全事象を
とすると
![Rendered by QuickLaTeX.com A+A^c=\Omega](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-e622adbaed2008001b21f7c649a2f758_l3.png)
が成り立つので、赤いボールが少なくとも1つ取り出される事象は、
![Rendered by QuickLaTeX.com 120-1=119](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-85c17190a85b3193f50b9246102e1784_l3.png)
通りです。以上の事から、求める確率はとなります。余事象の確率
は、ある事象Aの確率
を用いて次のように求められます。
![Rendered by QuickLaTeX.com P(A) + P(A^c)=1 \leftrightarrow P(A^c) =1-P(A)](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-2397543cef09d141076c5d9b1817cafe_l3.png)
9. 確率と期待値
事前に読むと理解が深まる- 学習内容が難しかった方に -
- 7. 場合の数
7-2. Pの使い方
- 7. 場合の数
7-3. Cの使い方
- 8. さまざまな事象
8-1. 事象とは
- 8. さまざまな事象
8-3. 余事象・空事象・排反事象