- Step1. 基礎編
- 8. さまざまな事象
8-1. 事象とは
コインを投げたりさいころを投げたりするように、その結果が予想通りになるかどうか実験や観察を行い試すことを「試行」と言います。そして、試行によって起こった結果を「事象」と言います。
例えばさいころを投げたときに4の目が出たとき、さいころを1回投げたことが「試行」であり、4の目が出たことが「事象」となります。この結果は、「4の目が出る事象」という言い方をすることもできます。
![図2](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/uploads/2016/06/2b530e80c7d0de90885e285c5d798063-17.png)
さいころを投げたときに出る目は、「1, 2, 3, 4, 5, 6」の6個です。したがって、それぞれの事象は
- 1の目が出る事象
- 2の目が出る事象
- 3の目が出る事象
- 4の目が出る事象
- 5の目が出る事象
- 6の目が出る事象
となります。
![図7](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/uploads/2016/06/f4a1b0aed5dc02442c433030ff24c031-1.png)
この「さいころを1回投げる」試行について、起こりうる全ての事象をまとめたものを「全事象」といいます。全事象は(オメガ)や
で表されます。また、各事象は得られうる値だけを使って表します。「さいころを1回投げる」試行の場合、次のように表すことができます。
![Rendered by QuickLaTeX.com \Omega = \{ 1,2,3,4,5,6 \}](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-7fc6870a5cc1cf97ee41caefa92ff717_l3.png)
全事象の{ }の中の「1」は、「さいころを1回投げたときに1が出る」事象を表しています。
事象と同じ単元で出てくるものに「集合」があります。集合とは、複数の要素(例えば数字、事柄、現象など)を集めたものです。例えば、さいころの出る目が偶数である事象の集合をとすると、
と表せます。
![図8](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/uploads/2016/06/8aa09ea6d7822fbb10331635d428d488.png)
集合Gは、「2, 4, 6の3つの目うちどれかが出る」事象を表すので、「2の目が出る」事象、「4の目が出る」事象、「6の目が出る」事象というように事象を分解できます。このように、分解が可能な事象を「複合事象」と言い、これ以上分解することのできない事象を「根元(こんげん)事象」と言います。
この例では、
- 根元事象:「2の目が出る」事象、「4の目が出る」事象、「6の目が出る」事象
- 複合事象:集合G
となります。