数量化分析とは
数量化理論には、1類、2類、3類があります。数量化理論はカテゴリデータを扱う手法です。
実際の分析データに数量データとカテゴリデータが混在している場合、数値データを前提とした重回帰分析、判別分析、主成分分析の手法は利用できません。そこで数量データを適当に区切り、カテゴリ化して数量化理論を適用することが多くなります。
また数量データ間に2次曲線的などの曲線的傾向がある場合も、数量データをカテゴリ化して数量化理論を適用すると有効になることが多くなります
数量化理論では変数をアイテムと呼び、変数を構成するカテゴリはそのままカテゴリと呼びます。
数量化理論1類と2類
数量化理論1類と2類では、カテゴリスコアとアイテムの範囲が重要となります。カテゴリスコアは重回帰分析の偏回帰係数に相当します。またアイテム内の最大のカテゴリスコアから最小のカテゴリスコアをひいたものが、アイテムの範囲になります。このアイテムの範囲は、アイテムの目的変数への影響度を表しています。範囲が大きいほど影響度が高いといえます。
数量化3類
数量化3類では、カテゴリスコアが中心となります。また、主成分分析の主成分にあたるものを軸と表現します。因子分析と同じようにカテゴリスコアの正負と絶対値の大きさで解釈される軸により、カテゴリデータに含まれる情報が集約されます。
数量化理論は、質的データ(分類データ)を多次元的に解析する統計的な方法として林知己夫博士の考案によるものです。林式数量化法とも総称されています。 質的データに対し、何らかの操作を行って、質的データが数量で表される(変換される)ための「数量を与える方法」を総称して数量化と言います。質的データを量的なデータに変換する方法として、主観的に回答選択肢に「数量を与える方法(尺度化:スケーリング)」が知られています。
主観的なカテゴリの得点化の例
Q.あなたは、○○という商品のデザインについてどのように感じますか。 あなたの意見に最も近いものを1つだけ選んで下さい。
回答選択肢 | 主観的な得点化 |
---|---|
良い | +2 |
やや良い | +1 |
普通 | 0 |
やや悪い | -1 |
悪い | -2 |
主観的な得点化法では、なぜそのような得点を与えたかの根拠はありません。数量化法は合理的に、回答選択肢に得点を与える方法です。数量化法は、質的データを数量化(尺度化)する時の根拠を与えてくれます。