フリードマン検定 : Friedman Test
概要
対応のある多群のデータにおいて個体差が非常に大きい場合や正規性に問題のあることが予想される場合、一元配置配置分散分析(対応あり)の適用は慎重である必要があります。 そのような場合にフリードマン検定を使用します。対立仮説は「水準間に差がある」です。対立仮説が支持された場合、Scheffe(シェッフェ)の方法による多重比較を行うことでどの水準間の差が有意か調べることができます。行列を入れ替えれば、個体差を検定することもできます。
また、ケンドールの一致係数Wも同時に出力されます。これは、評価者間の評価一致度の指標です。Wは0から1までの値をとり、1に近いほど一致度が高いということを意味します。フリードマン検定のカイ二乗値をデータの大きさで調整するとケンドールの一致係数になります。
分析例ファイルのダウンロード
フリードマン検定を使用する際のデータの形式やダイアログの指定方法、出力結果などを以下のExcelファイルからご確認いただけます。ダウンロードしてご参照ください。この分析例ファイルは、製品をご購入された場合にも自動でインストールされます。
なお、エクセル統計の無料体験版では、分析例ファイルのデータを実際に分析してみることができます。
処理対象データ
表形式
データサイズ範囲 | 処理対象データ | |||
---|---|---|---|---|
行数 | 列数 | 数値 | 文字列 | 空白 |
2~3,000行 | 2~250列 | ○ | × | × |
※:○…処理可、×…処理不可、欠…欠損値として除く
※:水準が2列以上、及びデータが2行以上あること
出力内容
ケースの要約 | 有効ケース、不明ケース、全体の「サンプルサイズ」と「割合」 |
---|---|
平均順位 | 各水準のデータに順位をつけた時の平均順位 |
フリードマン検定 | 各水準の平均順位に基づくカイ二乗検定の結果が出力されます。P値が0.05未満なら"*"、0.01未満なら"**"が出力されます。 |
ケンドールの一致係数 | ケンドールの一致係数の結果が出力されます。複数の被験者に対する評価者の評価(順位)にどの程度相関があるかを見ることができます。 |
Scheffeの対比較 | 多重比較[Scheffe]にチェックを入れた場合、すべての水準の組み合わせについて平均順位差を検定した結果が出力されます。 |
ノンパラメトリック検定 その他の手法
- 中央値検定
- マン=ホイットニーのU検定 [Mann-Whitney U Test]
- ブルンナー=ムンツェル検定 [Brunner-Munzel Test]
- 2標本コルモゴロフ=スミルノフ検定 [Two-sample Kolmogorov-Smirnov Test
- 符号検定
- ウィルコクソンの符号付き順位検定 [Wilcoxon signed-rank Test]
- クラスカル=ウォリス検定と多重比較 [Kruskal-Wallis Test and multiple comparison]
- フリードマン検定 [Friedman Test]
- コクランのQ検定 [Cochran's Q Test]
- ヨンクヒール=タプストラ検定 [Jonckheere-Terpstra Test]