- Step1. 基礎編
- 12. 累積分布関数と確率変数の期待値・分散
12-4. 期待値の性質
確率変数の期待値には、4つの重要な性質があります。これらの性質は、離散型確率変数、連続型確率変数いずれにおいても成立します。さいころを投げて出る目(=確率変数)を例として、これらの性質について解説します。なお12-3章で計算したように、ここでは
であることを用います。またCは値の変化しない定数とします。
1. E(C)=C
定数の期待値は定数になります。
例:すべての目が4であるさいころを投げる場合、出る目の期待値は「4」になります。
![Rendered by QuickLaTeX.com E(4)=4](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-d7f3b3658be31e03ae48820b7da21a9c_l3.png)
![図1](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/uploads/2016/08/795316b92fc766b0181f6fef074f03fa-3.png)
2. E(X+C)=E(X)+E(C)=E(X)+C
確率変数に定数を足した場合の期待値は、元の確率変数の期待値に定数を足したものになります。
例:さいころを投げて出る目に3を足す場合の期待値は、元の確率変数の期待値であるに3を足した「6.5」になります。
![Rendered by QuickLaTeX.com E(X+3)=E(X)+E(3)=E(X)+3=3.5+3=6.5](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-f0d366377fe80c6b2826ee60926db631_l3.png)
![図2](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/uploads/2016/08/2b530e80c7d0de90885e285c5d798063-3.png)
3. E(kX)=kE(X)
確率変数を定数倍したものの期待値は、元の確率変数の期待値を定数倍したものになります。
例:さいころを投げて出る目を4倍する場合の期待値は、元の確率変数の期待値であるE(X)=3.5に4を掛けた「14」になります。
![Rendered by QuickLaTeX.com E(4 \times X)=4 \times E(X)=4 \times 3.5 =14](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-1417a6bb9df001cc1b0f224a162c48bd_l3.png)
![図3](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/uploads/2016/08/c8856789ec11ab8b1013037cef6929f9-6.png)
4. E(X+Y)=E(X)+E(Y)
確率変数の和の期待値は、それぞれの期待値の和に等しくなります。この性質は2つの確率変数が独立でなくても成り立ちます。
例:異なるさいころAとBを投げて両方の出る目を足す場合の期待値は、さいころAの期待値「3.5」とさいころBの期待値「3.5」の和である「7」になります。
![Rendered by QuickLaTeX.com E(X+Y)=E(X)+E(Y)=3.5+3.5=7](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-e0884a985d6b4cc37be2b752077149d9_l3.png)
![図4](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/uploads/2016/08/3a4f695a458cb0ac0aceaa2eb13ac2dd-3.png)
12. 累積分布関数と確率変数の期待値・分散
事前に読むと理解が深まる- 学習内容が難しかった方に -
- 9. 確率と期待値
9-5. 確率と独立
- 9. 確率と期待値
9-6. 期待値
- 12. 累積分布関数と確率変数の期待値・分散
12-3. 確率変数の期待値