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  • Step1. 基礎編
  • 12. 累積分布関数と確率変数の期待値・分散

12-6. 分散の性質

確率変数分散には4つの重要な性質があります。これらの性質は、離散型確率変数、連続型確率変数いずれにおいても成立します。さいころを投げる場合の出る目(=確率変数X)を例として、これらの性質について解説します。なお12-5章で計算したように、ここではV(X)= \displaystyle \frac{35}{12}となることを用います。

1. V(C)=0

定数の分散は0になります。

例:すべての目が4であるさいころを投げる場合、出る目の分散は「0」になります。

 V(4)=0

図1

2. V(X+C)=V(X)

確率変数に定数を足した場合の分散は、元の確率変数の分散に等しくなります。

例:さいころを投げて出る目に3を足す場合の分散は、元の確率変数の分散であるV(X)=\displaystyle \frac{35}{12}になります。

 V(X+3)=V(X)+V(3)=V(X)+0=V(X)

図2

3. V(kX)=k2V(X)

確率変数を定数倍したものの分散は、元の確率変数の分散を定数の2乗倍したものになります。

例:さいころを投げて出る目を4倍する場合の分散は、元の確率変数の分散V(X)=\displaystyle \frac{35}{12}に4の2乗である16を掛けた\displaystyle \frac{140}{3}になります。

 V(4 \times X)= 4^2 \times V(X)=16 \times V(X)=16 \times \displaystyle \frac{35}{12}=\displaystyle \frac{140}{3}

図3

4. V(X+Y)=V(X)+V(Y)(XとYが独立である場合)

独立な確率変数について、確率変数の和の分散は、それぞれの確率変数の分散の和に等しくなります。

例:異なるさいころAとBを投げて両方の出る目を足す場合の分散は、さいころAの分散\displaystyle \frac{35}{12}とさいころBの分散\displaystyle \frac{35}{12}の和である\displaystyle \frac{35}{6}になります。

 V(X+Y)=V(X)+V(Y)=\displaystyle \frac{35}{12}+\displaystyle \frac{35}{12}=\displaystyle \frac{35}{6}

図4

12. 累積分布関数と確率変数の期待値・分散

事前に読むと理解が深まる- 学習内容が難しかった方に -


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