- Step1. 基礎編
- 18. 母平均の点推定
18-2. 母平均の点推定と推定量・推定値
点推定とは、母集団から抽出された標本を用いて母集団を特徴づけるパラメータ(母数)を推測することです。この章では母平均の点推定について説明します。
47都道府県にある映画館の合計スクリーン数の点推定を行ってみます。47都道府県全てのデータを調べるのは面倒なので、無作為に10都道府県のデータを抽出しました。次の表が抽出したデータです。
No. | 都道府県 | 全スクリーン数 |
---|---|---|
1 | 兵庫 | 126 |
2 | 大阪 | 224 |
3 | 奈良 | 34 |
4 | 岩手 | 25 |
5 | 千葉 | 199 |
6 | 茨城 | 89 |
7 | 福岡 | 178 |
8 | 山梨 | 14 |
9 | 滋賀 | 38 |
10 | 鳥取 | 11 |
これら10都道府県にある映画館の合計スクリーン数の平均は「93.8」でした。この「93.8」を47都道府県(=母集団)の平均値(つまり母平均)と見なしてしまおう、とするのが母平均の点推定です。やや強引な感じがしますが、17-2章 大数の法則で学んだ「母平均がμ(ミュー)である集団から標本を抽出する場合、サンプルサイズ(=標本の大きさ)が大きくなるにつれて、標本平均は母平均μに近づく」という性質を用いています。
推定された値は一般的に^(ハット)を頭につけて表すので、この場合は母平均を用いてと書きます。
■推定量
パラメータを推定するために利用する数値の計算方法や計算式を、「推定量」と言います。母平均の点推定で用いた、n回の試行によって得られた値の平均を計算する次の式そのものは「推定量」です。
■推定値
また、実際に試行を行った結果から計算した値を「推定値」と呼びます。という数値は「推定値」です。
18. 母平均の点推定
事前に読むと理解が深まる- 学習内容が難しかった方に -
- 16. 標本と抽出法
16-1. 母集団と標本
- 16. 標本と抽出法
16-2. 全数調査と標本調査
- 17. 大数の法則と中心極限定理
17-2. 大数の法則2