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  • Step1. 初級編
  • 10. 条件付き確率とベイズの定理

10-5. 事前確率と事後確率

3つの袋があり、次のように赤い玉と白い玉が入っています。

図1

いずれかの袋から玉を1つ取り出したところ、白い玉でした。この玉が袋2から取り出された確率は、袋2から玉を取り出す事象を事象B_2、取り出した玉が白色である事象を事象Aとすると、ベイズの定理より次のように計算されます。(10‐4章より)

     \begin{eqnarray*} P(B_2|A)&=&\displaystyle \frac{\displaystyle \frac{1}{3} \times \displaystyle \frac{1}{2}}{\displaystyle \frac{1}{3}\times \displaystyle \frac{1}{5}+\displaystyle \frac{1}{3}\times \displaystyle \frac{1}{2}+\displaystyle \frac{1}{3}\times \displaystyle \frac{2}{3}}\\ &=&0.366 \end{eqnarray*}

■事前確率

この計算では、取り出された玉の色が分からない、すなわち玉がまだ取り出されていないとき、袋2から玉を取り出す事象B_2の確率をP(B_2)=\displaystyle \frac{1}{3}としています。これは、袋1、2、3の中からいずれか1つの袋を選ぶ確率は等しいということに基づきます。この確率は「事前確率」と呼ばれます。「事前」とは「事象Aが起こる前」ということを意味します。

■事後確率

いずれかの袋から玉を1つ取り出したところ白い玉であった場合に、袋2から玉が取り出された確率はP(B_2 | A)=0.366となりました。この確率は、「事象Aが起きた後」の、袋2から玉を取り出す事象B_2の確率であることから「事後確率」と呼ばれます。

図2

例題:

あるUSBメモリはA社、B社、C社の3社で製造されています。それぞれの市場のシェアは60%、30%、10%です。また、購入されたUSBメモリのうち不良品として返品される割合は、それぞれ1%、3%、10%ということが分かっています。 購入したUSBがC社製のものである確率と、購入したUSBが不良品で返品した場合にそのUSBがC社製のものである確率はそれぞれいくらでしょうか。

図3

購入したUSBメモリが不良品であったために返品する事象を事象A、購入したUSBメモリがA社製である事象を事象B_a、B社製である事象を事象B_b、C社製である事象を事象B_cとします。購入したUSBがC社製のものである確率は問題文にある市場のシェアより次のようになります。この確率は事前確率です。

 P(B_c)=0.1 (=10 \%)

購入したUSBが不良品で返品した場合にそのUSBがC社製のものである確率は次の式から求めることができます。この確率は事後確率です。

 P(B_c|A)=\displaystyle\frac{P(B_c)P(A|B_c)}{P(B_a)P(A|B_a)+P(B_b)P(A|B_b)+P(B_c)P(A|B_c)} \cdots \textcircled{\small 1}

それぞれの確率は問題文から次のようになります。

  • P(B_a)=0.6

  • P(B_b)=0.3

  • P(B_c)=0.1

  • P(A | B_a)=0.01

  • P(A | B_b)=0.03

  • P(A | B_c)=0.1

これらの値を①に代入します。

     \begin{eqnarray*} P(B_c|A)&=&\displaystyle\frac{P(B_c)P(A|B_c)}{P(B_a)P(A|B_a)+P(B_b)P(A|B_b)+P(B_c)P(A|B_c)} \\ &=&\displaystyle\frac{0.1 \times 0.1}{0.6 \times 0.01+0.3 \times 0.03 + 0.1 \times 0.1}\\ &=&0.4 \end{eqnarray*}

この結果から、返品されるUSBの40%がC社製品であるということが分かりました。返品されるUSBに限ると、C社製品の品質の悪さが際立っています。

10. 条件付き確率とベイズの定理

事前に読むと理解が深まる- 学習内容が難しかった方に -