- Step1. 基礎編
- 10. 条件付き確率とベイズの定理
10-4. ベイズの定理
いくつかの袋の中に赤い玉と白い玉がいくつか入っています。これらの袋のうちどれか1つの袋から、いくつかの玉を取り出したとします。この取り出された玉の色(結果)から、どの袋から取り出されたものか(原因)を推定することを考えます。ここで用いるのが「ベイズの定理」です。
事象Aが起こるという条件のもとで、k種類の事象:ただしこれらは互いに排反とする
が起こるとします。このとき、事象Aが起こるという条件のもとで、事象
が起こる条件付き確率
は次の式から求められます。
![Rendered by QuickLaTeX.com P(B_i |A)=\displaystyle \frac{P(A \cap B_i)}{P(A)} \cdots \textcircled{\small 1}](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-ca7c5d5e3bf5c678d7116e96d86972a5_l3.png)
ここで乗法定理を①に代入します。これがベイズの定理です。
![](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/uploads/2016/07/shiki1.png)
P(A)はと書けます。これは、次の図のそれぞれの事象
における赤い事象Aの部分を足し合わせたものだと考えることができます。この式を②に代入します。
![図1](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/uploads/2016/07/795316b92fc766b0181f6fef074f03fa-9.png)
![](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/uploads/2016/07/shiki2.png)
③にも乗法定理を適用すると、次の式が導かれます。
![](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/uploads/2016/07/shiki3.png)
例題:
3つの袋があり、次のように赤い玉と白い玉が入っています。
- 袋1:赤い玉4つ、白い玉1つ
- 袋2:赤い玉3つ、白い玉3つ
- 袋3:赤い玉2つ、白い玉4つ
いずれかの袋から玉を1つ取り出したところ、白い玉でした。この玉が袋2から取り出された確率はいくらでしょうか。
![図2](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/uploads/2016/07/2b530e80c7d0de90885e285c5d798063-9.png)
白い玉が取り出されたという事象を事象A、玉を袋1から取り出す事象を事象、袋2から取り出す事象を事象
、袋3から取り出す事象を事象
をとします。袋は3つあり、これらの袋のどれか1つが選ばれる確率は全て等しいと考えられるので、次のようになります。
![Rendered by QuickLaTeX.com P(B_1)= P(B_2)=P(B_3)= \displaystyle \frac{1}{3}](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-082fd26edbd2e3e077073be68a32805e_l3.png)
また、白い玉が取り出される確率は次のようになります。
袋1の場合:
袋2の場合:
袋3の場合:
![図3](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/uploads/2016/07/c8856789ec11ab8b1013037cef6929f9-5.png)
したがってベイズの定理の式に当てはめると、
となり、いずれかの袋から取り出した玉が白い玉だったときに、それが袋2から取り出された確率は0.366となります。
![図4](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/uploads/2016/07/3a4f695a458cb0ac0aceaa2eb13ac2dd-3.png)
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