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  • Step1. 初級編
  • 23. 検定の前に

23-5. 棄却域と採択域

身長や体重などについて検定を行う場合は、コインの裏表が出る確率とは異なり、取りうる値がどのくらいの確率でその値となるかがわかりません。そこで、値の標準化を行い身長や体重の値を「検定するための値」に変換します。このようにして算出された値が検定統計量となります。

図1

検定では、算出された検定統計量より極端な値をとる確率が有意水準と比較して大きいのか、小さいのかに基づいて結論を出します。

例題:

日本人の男性100人をランダムに選び、その身長を測定したところ平均\overline{x}=175、不偏分散s^{2}=100となりました。身長の分布は正規分布に従うとする時、日本人の男性の平均身長は180cmと言ってよいでしょうか。

図2

この場合の帰無仮説H_{0}は「日本人の男性の平均身長は180cmである」、対立仮説H1は「日本人の男性の平均身長は180cmではない」となります。検定を行うためにまず、\overline{x}=175を標準化します。この例題では母分散はわからないので標本から得られた不偏分散s^{2}を使ったt統計量を求めます。

 \displaystyle t=\frac{\overline{x}-\mu}{\sqrt{\frac{s^{2}}{n}}}=\frac{175-180}{\sqrt{\frac{100}{100}}}=-5

この時算出されたtが検定統計量となります。有意水準5%で検定する時、検定統計量が次の図の水色部分に入る場合に帰無仮説は棄却されます。両端の水色部分の面積は合わせると全体の5%であり、統計検定量がこの部分に入るということは5%以下でしか起こらない極めて珍しい事象であると判定されます。

図3

この例題では検定統計量t=-5となり、この値は上図の左側の水色部分に含まれるため、有意水準5%では帰無仮説H_{0}は棄却され、対立仮説H_{1}が採択されます。つまり、「日本人の男性の平均身長は180cmではない」と結論づけられます。

図4

上図の例で、水色の部分は帰無仮説が棄却される領域であることから「棄却域」と呼ばれます。反対に、白色の部分は帰無仮説が棄却されない領域であることから「採択域」と呼ばれます。

図5

23. 検定の前に