- Step1. 基礎編
- 18. 母平均の点推定
18-1. 点推定とは
統計学は「記述統計学」と「推測統計学」の2種類に分けられるということは、16-1章で既に学びました。
推測統計学の中には「推定」と「検定」が含まれます。ある母集団から標本を抽出した時に、
- 推定:母集団を特徴づける母数(パラメーター:平均など)を統計学的に推測すること。
- 検定:母集団から抽出された標本の統計量に関する仮説が正しいかを統計学的に判定すること。
を意味します。
日本人全員(母集団)からランダムに100人を抽出した標本を例に取ると、
- 推定:抽出された100人の身長から日本人全員の平均身長を推測すること。
- 検定:日本人の平均身長が165cmと言われているが、抽出された100人の平均は167cmだった。このとき、100人の平均値は妥当かどうかを判定すること。
と考えることができます。
さらに、推定には「点推定」と「区間推定」という2つの方法があります。
- 点推定:平均値などを1つの値で推定すること。
- 区間推定:平均値などをある区間でもって推定すること。
【コラム】母数と分母
母数と分母は似たような単語ですが、意味が全く異なります。
母数は統計学で使われる言葉で、母集団を特徴づける値のことです。例えば母平均(母集団の平均)や母分散(母集団の分散)は母数です。母数が「母集団の数」や「サンプルサイズ(標本の大きさ)」の意味で使われることがありますが、これは間違いです。
一方の分母は分数の下の部分を意味します。ある高校で大学への合格率を算出する場合、大学合格者数を高校3年生全員の数で割ります(合格率=大学合格者数÷高校3年生全員の数)。このときの「高校3年生全員の数」が分母です。
18. 母平均の点推定
事前に読むと理解が深まる- 学習内容が難しかった方に -
- 16. 標本と抽出法
16-1. 母集団と標本
- 16. 標本と抽出法
16-2. 全数調査と標本調査