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  • 17. 大数の法則と中心極限定理

練習問題(17. 大数の法則と中心極限定理)

1

コインを投げ、表が出た割合を計算する。気の遠くなるほど投げ続けた時、表が出た割合はおよそどれくらいになると考えられるか。

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大数の法則より、観測したデータから計算した表が出た割合\hat{p}は、コインで表が出る確率p=0.5に収束します。よって、表が出た割合は0.5に近づくと考えられます。

2

平均\mu、分散\sigma^2のある分布に従う、互いに独立なn個の確率変数X_i(i=1,2, \cdots n)がある。 YZを次のように定義するとき、それぞれの分散V(Y)V(Z)を求めよ。

 \displaystyle Y= \sum_{i=1}^{n} X_i \\ Z= \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} X_i

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確率変数の定数倍した場合の分散について次の性質(1)が成り立ちます。また、互いに独立な確率変数の分散について、次の性質(2)が成り立ちます。この2つは分布に関係なく成り立ちます(詳しくは12-6. 分散の性質をご覧ください)。

(1)    \begin{equation*} V(kA)=k^2 V(A) \end{equation*}

(2)    \begin{equation*} V(A+B)=V(A)+V(B) \end{equation*}

Yについては、性質(2)を用いて次のように計算できます。

 \displaystyle V(Y)=V \left( \sum_{i=1}^{n} X_i \right) = V(X_1)+V(X_2)+ \cdots + V(X_n) \\ = \sigma^2 + \sigma^2 + \cdots + \sigma^2 =n \sigma^2
次にZについては、Z=\displaystyle \frac{1}{n}Yであることから、性質(1)を用いて次のように計算できます。
 \displaystyle V(Z)=V\left( \frac{1}{n}Y \right) =\frac{1}{n^2} V(Y)= \frac{n \sigma ^2}{n^2}=  \frac{ \sigma ^2}{n}

3

どのような分布に従うか不明であるが、平均\mu、分散は\sigma^2の分布に従う確率変数Xがある。この確率変数n個の和を標準化したものをY_nとおく。nが非常に大きい場合、Y_nはどのような分布に従うか。なお、Y_nは次のように計算されるものとする。

 \displaystyle  Y_n= \frac{\sum X_i -n \mu }{\sqrt{n \sigma^2}}

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中心極限定理により、Y_nは標準正規分布N(0,1)に従うと言えます。中心極限定理によると、確率変数Xが具体的にどのような分布に従うか不明であっても、平均や分散が分かる場合には和の分布は正規分布に従うと考えられるためです。

17. 大数の法則と中心極限定理


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